温室効果ガス削減目標設定をめぐって
温室効果ガス削減目標(中期目標)をめぐって、環境重視派と
経済重視派との間で目標数値をどうするか議論されている。
2013年以降2020年までの地球温暖化対策の国際的な枠組みを
どうするかという問題で、日本の目標値の設定だけを議論していて
果たして良いのであろうか。
京都議定書に盛り込まれた数値を達成できたのかどうかを明確に
示して、それから将来を見通す必要がありはしないか。
斉藤環境相は、経済界の90年比4%増という数値に
「そのような目標では世界の笑いものになる」と述べたが、
では、実際には達成不可能な数値を掲げて、将来世界の笑い者に
なることは無いのか。
京都議定書の数値は、現実には達成できなかったと結論付けることが
出来よう。再び実現不能の数値を示せば、日本のいうことが信用されない
事態を招くことは想像に難くない。
いくら環境相が高い目標を掲げても、現実の政策が、温暖化ガスの排出を
助長するものとなる可能性は、緊急経済対策として、ガソリンの使用料増大
を招く、高速道路の土日値下げの政策を見れば、夙に明らかである。
場当たり的な政策を、朝令暮改としか表現できない状態で推進している
政権が、有効な、一貫した対策を取り続けるとは到底考えられない。
愚直に政策を継続的に推し進めることができなければ、目標数値など
文字通り画餅に過ぎない。
我が国では、高速道路をはじめとして将来予測の数値への信頼度は高くない。
はじめに建設ありきの姿勢で、どれほど無駄な道路、施設を作り続けてきたのか。
東京湾アクアライン、静岡空港の例を見てもらいたい。
まずは、京都議定書の数値が実現できなかった原因を真摯に追求、分析すること
からはじめる必要があろう。