詐欺の呼称について | 橘 白扇 のひとりごと

詐欺の呼称について

振り込め詐欺に関する最近の報道には、既に「振り込め詐欺」という

呼称には該当しないものがある。

詐欺師は次々に新しい詐術を産み出し、ひとを騙して財物を詐取しようと

する。


             地面師

             結婚詐欺

             取り込み詐欺

             架空請求詐欺

             資格詐欺

             リフォーム詐欺

             代引き詐欺

             オークション詐欺

             オレオレ詐欺

             振り込め詐欺

             還付金詐欺


ちょっと取り上げただけでも、その騙しの手口による呼称は数多い。


最近の詐欺を分析すると、むしろ「振り込め詐欺」という呼び名がかえって

悪影響を与えていることに思いいたる。

特徴的なのは、ほとんどの事例で携帯電話を利用し、番号の変更を伝える

手口と、中途半端な知識につけこんで、還付金があると思わせる手口、

いずれも電話によるものが中心となっている、一度にひとりの被害者の

事例が、この種の詐欺である。


他方、円天にみられるように、空理空論を振りかざし、他人を信頼させて、

一種の陶酔状態に陥れ、損得の判断力をそいでいく手口が見られる。


時代とともに詐欺の手口も変化するが、対処するには基本項目とでも

呼ぶべき点がある。


携帯電話の番号が、電話会社の変更によっても変更する必要が無い

ということを周知徹底することが、まず必要である。そして、本当に

番号を変更する場合には、変更者に家族への変更の報告は、対面で行なう

ように奨励し、番号変更は本人と対面でという方式を、それこそPRする

といった方法をとるべきではないか。


円天のような詐欺こそ、実は発生を防ぐことが難しい。

振り込め詐欺は、家族を助けようとの気持を利用するが、この種の利益獲得

の欲求を上手に刺激する方法に対処するのはむずかしいものがある。

この種の詐欺の主犯は、自らの創出した、いわゆる理論の第一の信奉者

に自らがなってしまい、空理空論との批判を受付なくなるからである。

理論を整然と説明し、誤謬をみとめないこのいわば教祖とでも呼ぶべき

人物の存在が、被害額を膨大なものとする。よく判らないけど、何だか

儲かりそうだという動機から、最初は少額、徐々に多額の資金をつぎ込む

というのが典型的な被害のパターンである。



なりすまし詐欺と呼ぶのが現下の、老人を主たるターゲットとする詐欺の

総称ではあろう。