格差から階級、階層の固定化へ
日本経済新聞の1月14日経済教室で、国立社会保障・人口問題研究所
の阿部彩さんが、子どもの貧困について書かれている。
日本の相対的貧困率は、おとなも子どもも共通して、14~15%と低く、
子どもの学力は、父母の学歴が高く、社会階層が高いほど、高いのは
ある意味で当然の結果であろう。
大人の収入格差は、その子弟に対して支出可能な教育関連費用に直ちに
影響する。
収入格差に基づき階層化が進展し、支配階級と被支配階級が出現する。
問題はこれらの、社会階層、社会階級が固定化され、身分社会を出現
させる事である。
いくら努力をしても報われる事のない社会を、青少年は歓迎するであろうか。
努力が報われるのは、いまやスポーツの世界だけともいえるが、それさえも
本人の能力のほかに、立派な練習環境が必要となっている。
才能だけでは、十分とは言えないのである。
企業がスポーツへの支援を打ち切りつつある現状では、スポーツさえ
努力の仕様が無くなりつつある。
この閉塞感を打破しないことには、どんな少子化対策も有効足り得ない。
税制上の優遇や、多少の交付金で事足れりというのは、自らの子弟に
十分な教育資金を提供できる、雇用、収入の安定している公務員の
発想にすぎないのでは無いだろうか。