人材から人財へ
目下の経済危機局面で、派遣労働者等の非正規雇用労働者の失業が社会問題と
なっている。
他方では大学3年生が就職活動に躍起となってもいる。
ここで振り返って、人材とは何かを考えてみた。
辞書的な説明から始める。
人材とは
人才と同じ。つまり、才知ある人物。役に立つ人物。
有能な人。
働きのある、役に立つ人物。
では、企業活動の場面での人材とは、この辞書の説明が果たして妥当であろうか。
原材料となる物と対置される、単なる人的材料としてしか認識されていないのでない
だろうか。
そうであれば、生産に不要な「材」は維持する必要がなくなれば、処分されて当然
という発想が出てくる。
しかし、辞書的な意味の人材は、役に立つだけではなく、才知もあることを示している。
原材料と区別し、組織として必要な財産、尊厳を有する存在として遇すべきものとして、
企業の有する財産、人財と表記を改めては如何であろうか。
大学生の就職活動も、先んずれば人を制すという観点からは、止むを得ない面が
あるが、いったい大学とは、何をする場なのであろうか。教育か研究か、それとも
スポーツか。実社会にでるまでのモラトリアムにすぎないのか。
優秀な社員が欲しければ、ちゃんと大学教育を受け終えた学生を採用した方が
あわてて青田刈して、半熟な果実を得るよりよほど有益だと思うのだが。
労働者が人財として理解、処遇される社会を望む。