轍鮒の急 | 橘 白扇 のひとりごと

轍鮒の急

来年度予算の政府案を麻生総理が得意げに記者会見で述べていた。

当然ながら雇用対策、中小企業支援対策も含まれてはいるが、その実効

性は未だ五里霧中ではある。

年明けの国会で審議され成立しても、4月以降の実施では、現在の逼迫した

状況に照らして、あまりに遅すぎるように思われる。


二次補正予算も成立するかどうか、成立しても実施されるのはいつか、

時期の予測がつかない政策は、政策では無い。


自治体、保証協会等が年末年始の資金繰りや、非正規雇用者対策を

つぎつぎと発表、実施にうつしているときに、国は一体なにをしているのか。

もし、何か対策を実施しているのであれば、総理が記者会見で最初に

述べるべきは、この現在実行中の対策、実行予定の対策では無いだろうか。


いままさに轍鮒の急にあえぐ、解雇、解約により、明日の、いや今日の生活

に苦慮する国民に対して何のメッセージも、一国の行政の最高責任者が

顧慮していることを伝えずして、何のための総理大臣か。


明日では遅すぎる状況を前に、来年のことを滔滔と述べてこと足れりとする

のなら、即座に辞任せよ。


今年の交通事故による死者は5,100人前後とよそうされているが、

近年、自殺者は年間3万人前後である。そのうち経済危機を原因とする自殺

者は一体どれほどであろうか。

世界の標準によると日本人の7人にひとりは貧困層に属することになるとも

言われる。


何度でも繰り返そう。もっと早く。