住宅ローン減税のまやかし。
自民、公明党の税制調査会は住宅ローン減税の概要を決めたようである。
一般住宅で最大500万円、長期優良住宅で最大600万円を所得税、
住民税から、税額控除するものである。その経済効果は、日経新聞に
よると4兆円と書かれている。
しかし、日経新聞も書くように、夫婦と子供2人の世帯で、年収750万円
だと所得税が23万円程度、住民税から控除できる限度9.75万円と
あわせても33万円弱しか、控除、減税の効果は無い。
年収1,000万円程度でやっと最大の控除が受けられると思われる。
一般住宅の場合、控除率1%であるから、借入金は5,000万円だと、
1年目だけが、50万円の控除で、2年目からは控除額が徐々に減少
することとなり、10年で500万円の控除を受けるためには、それ以上
の借入が必要である。
住宅をローンで購入する場合、返済に余裕を持つためには、年収の
5倍が限度とも言われる。5,000万円を借りるためには、年収
1,000万円が、返済期間にわたって必要とされるのである。
現在の経済状況で、返済を考えれば、住宅ローン減税い前の
問題を考える必要がある。
雇用の不安定化は、非正規社員にとどまらず、正社員にも波及の
兆しを見せている。
この状況下に住宅ローンを組んで、平然としていられるのは、
失業の恐れのない公務員か、大企業の管理職くらいではないか。
い前は住宅取得控除と言う名称であったものを、住宅借入金等
特別控除と変更した経緯からも明らかなように、本当の目的は
金融機関を援助する目的なのは明らかなように思われる。
住宅を担保に融資を行なえば、たとえ返済不能になっても、
競売等により回収可能な付分が大きく、金融機関の損失の
可能性は、企業に融資するより高い。
こうした、隠された目的が指摘されないのは実に嘆かわしい。
テレビ等の報道も、無批判、無検討に行なわれているようで、
信頼できない。
格差是正が問題とされているにも拘わらず、住宅ローン減税は
格差を一層助長する側面を有している。