クローン人間誕生への一里塚
死滅細胞からクローンマウスが誕生したようである。これでクローン
人間への道がまた一歩進んだ事になろう。
富裕層の中には何年か何十年か、あるいは何百年かののちに
クローン技術によってみずからのクローンを誕生させ、現在と同様
の優雅な暮らしを実現しようと考える人間が存在している。
現在保有する資産を信託等により運用、保管し将来クローン人間と
なって再び優雅に暮らしたいという欲求は、それが単なる夢想に
とどまらなくなるのである。
クローンは確かに遺伝的には原初のものと同一ではあるが、
要望、性格、能力等は同一ではなく、完全に別の存在である。
一覧性双生児は遺伝的には同一の遺伝子、DNAを有しているが
確実に別の性質をもった別個の存在である。
クローンペットが既に実現しているが、元の固体とは明らかに別の
存在である。
科学者はできる事としてよいかどうかということの双方を慎重に
判断する必要がありはしないだろうか。
一時に多数の人間を殺すことの技術はすでに核爆弾をみれば
明らかなように出来るから、需要があるからとして作成されてしまっ
ている。
クローン技術も純粋学問的な興味だけで進歩していくことに
大いなる危惧を覚える。