私が勝手に母の調子の指標としている[ヨダレ]。量が多いと受け答えや反応が緩慢で、少ないと表情が豊かで会話も続く。何の根拠もありませんが、そんな気がしてます。
今回はそのヨダレが多め。心なしか会話のキャッチボールが出来ないというか、チグハグな答えになる感じでした。
でも、一瞬驚いた事が。
前回の面会時に渡した母の日のカーネーション型カード。まだ部屋に飾ってくれてるな〜と思っていたら、ベッドに座っていた母がスッと立ち上がり、そのカーネーションの方へとヒョコヒョコと歩いて近付いて行くではありませんか。
そして、カーネーションカードを手にして『ジャジャーン』と言いながら、私たちに自慢げに見せるのです。
まず、スッと立ち上がった事に驚き、ジャジャーンと効果音を言った事にも驚きました。昔の母そのもので(笑)今でもコミカルさがあるのだと嬉しくなりました!
母はカーネーションをとても気に入っていたようで、職員さんからも「いつも持ち歩いてますよ」と教えられました。うふふ♡
今回差し入れたお饅頭や桃ジュースは半分ほどしか口にしてくれず、殆どを姉にあげていました。甘い物に反応して、クレクレポーズしてくれるかと期待してたけど。残念。
今回2週間ぶりに母に会えて、母に触れる事が出来て、少しでも声が聞けて嬉しかったです。
実家に滞在していた時は、母の家で暮らし、母が好きだった庭を眺め、母がよく歩いた河川敷や橋を私も歩く事で、母の存在を頻繁に感じていました。たとえ会えなくても。
そして、母の居ない時間は一時的なもので、“母はただ旅行に行っているだけで、あと少ししたら帰って来る”。それに似たような感覚がありました。
ところが、関東の自宅へ戻ってからというもの、そもそも関東の風景に母の思い出が無く。私の脳内でしか母の存在を感じる事が出来なくて。母がどこかおぼろげで、まるで小説の中の登場人物のような感覚になっていました。(上手く表現できないけど…)
でも、こうして会えた。たった1時間だけど。