私、赤の他人様にこんなに文句を言ったのは人生で初めてかも知れない。いつもなら事なかれ主義だし、私が我慢して解決する事なら、不本意でも我慢して終わらせるし、長いものに巻かれまくって生きて来た人間だから。





でも、今日は我慢できなかった。我慢すれば良かったのに。我慢して終わらせるべきだったのに。できなかった。





午後、ショートステイ先の看護師を名乗る方から電話がかかって来た。挨拶もそこそこに「お母さんのお薬が足らないんですけど。」と。





私は頭の中で考えを巡らせる。(お薬が足らない?そんな筈は無い。念の為に余分に持たせてる。 ショートステイの延長を決めた時も、手元の薬の残量から預けた薬の数を確認して、追加で持って行かなくても大丈夫だと自分で計算したから間違いない。)





薬が足らないとは、何の薬ですか?私の問いに電話の看護師さんは「え?何の薬?」と、薬名を把握していない様子だった。





私から母の薬名3種類を伝えて、どれが足りないのか改めて確認するも、先方は「薬を飲み終わったカラしかありません。」と。要するに全種類の薬が1つも無いという主張だった。





そんな筈はありませんよ。私は余分に持たせましたけど本当にありませんか?「ええ、ありません。(ショートステイ)延長されましたよね?」看護師さんは、あたかも、ショートステイを延長したからその分の薬を持って来てないですよね?と言っているように聞こえた。





私はカッとしたが、本当にありませんか?おかしいですね?と、努めて冷静な言葉遣いを選びながら引き下がらなかった。





すると「あれ?あ、ちょっと待って下さい…あー!ありました、ありました。違う袋を見てました。すみません。」と先方。





違う袋を見てた?一体薬をどうやって保管してるのかと不信感で腹が立つ。恐れ入りますが、大切な薬をどのように管理してらっしゃるんですか?と私が問いただすと、看護師さんは「すみません、すみません」と謝るだけ。





その謝罪で電話を終えたものの、私の怒りは収まらなかった。手元で確認すればすぐ分かったのに、良く確認もせずに“無い”と決めつけて電話をしてくるなんて!





それでなくてもショートステイに預けている罪悪感があるのに、延長しましたよね?と言われた事にも我慢ならなかった。





それに、先日、ショートステイの手違いで母を誤って外に出してしまったと言う謝罪の電話を夜間にかけて来られた後、心労がでてしまった私。だから大事に至らない事なら、わざわざ夜間に電話して来なくても事後報告で良い。とケアマネさん経由で申し入れをしていたのに。





確かに薬問題は大切な内容だが、ショートステイ側がろくに確認もせずに気軽に電話して来た事にも腹が立った。





私はショートステイの契約時に頂いた相談員さんの名刺を引っ張り出し、名前を確認。(それまで名前をうろ覚えで自信がなかったので)。相談員の○○さんに直接話そう!とショートステイ先に電話をすることにした。





すると丁度相談員さんが電話に出られたので、私は事の次第をお伝えした。そして、お薬管理をどうされてるんですか?と尋ねた。自分の声が震えているのが分かったが、もう引き返せない。





私よりもはるかに若い相談員さん。申し訳ございませんと言いながら、薬は看護師が一括管理していると教えて下さった。





そして、大事に至らない事なら夜間の電話はしないで欲しいとケアマネさんから申し入れをしているが、話は通っていないのか?と聞くと、相談員さんは聞いていないとの事。またまた申し訳ございませんとお詫びされる。





おそらくそれはケアマネさんが伝え忘れたのだろうから、そちらの責任ではありません。と私の無礼な発言をお詫びする。





本来なら私が母をお世話すべき所を、私の力不足でそちら(ショートステイ)を頼らせてもらっているので、信頼関係が大切だと思います。と、言いたい事を全て出し切った。





さすがに言いすぎたとは思ったけど、一度出てしまった言葉は取り消しようが無い。もう一度無礼な物言いをお詫びすると、相談員さんは大丈夫です。また何かあればいつでもご連絡下さい。と電話を終えた。





こんなに腹を立てて、クレーム電話を入れるなんて、私はクレーマーそのものだ。抗議したからと言って気持ちは晴れない。ただ苦しさが増しただけだった。きっと私の言葉で相談員さんのお心も汚してしまっただろうし。





日々母をお世話して頂いているのに。こんな些細な事で文句を言ってしまって。