少し前、ショートステイ先から電話がかかって来た。もうそれだけで心臓がドッキーンと痛む。何事かと電話に出ると、何やらショートステイ先の手違いで、母を玄関から外に出して帰らせようとしたとの事。お怪我などはありません。このような事が無いように今後気をつけます。とお詫びの電話だった。母の帰宅願望が強くて、荷物を持ってウロウロしているのを、勘違いして帰宅する人だと思い、職員が玄関まで誘導したそうだ。施設側の手違いは事なきを得たのだから、ともかくとして。(本当はともかくなんて言っては行けないのかも知れないけど。母の様子を聞いてそれどころでは無くて。)私は母が荷物を持ってウロウロしながら帰りたがっている姿を想像して、胸が張り裂けそうだった。いや、もう張り裂けているかも知れない。北斗の拳じゃないけど。母は寂しくて苦しんで彷徨っているんだ。ショートステイ先でなんとか過ごせていると都合良く思っていた私はバカだ。家に帰りたいと願っているのに、母をどこかの施設に入ってもらおうと、毎日必死で受け入れ先を探す自分が許せなくて、心底嫌になった。ショートステイ先との電話を終えると、姉が屈託ない笑顔でコチラを見ている。何も知らないとは言え、姉は平気なのだろうか?母親をショートステイに閉じ込めて、私だけがこんなに苦しいのだろうか?叫び散らしたい衝動に駆られて夜の散歩に出たものこ、叫ぶ勇気も無くて、ただ泣きながら20分ほど歩いて帰宅したところ。