三連休の中日。今日は近くの河川敷で毎年恒例のお祭りがあった。数十軒の屋台が出て、特設ステージでのイベント、地震体験車両や警察車両の展示まで。





日中、マイマザーと出向き、タコ焼き、広島焼き、牛串などのザ・屋台メニューを買い求め、自宅に持ち帰って食べた。





夕方ごろから、マイマザーが『屋台でお餅を買いたかった。』と言い始めたものの、特段気にも留めなかった。





夜7時、夕飯を食べ始めた頃、家の外でパンパンと音が響く。花火だ。マイマザーもそれに気付き、ソワソワし始める。





『窓から見えないかな〜?』と言っては、夕食の席を立っては窓の外を眺めるを繰り返す。気が済むまでは食事どころではないだろうと思い、私は敢えてマイマザーの好きにさせた。





台所の窓からは花火は見えない。方向が違うから。その事に何度目かで気付いたマイマザーは、花火が見える方向の窓へと移動。台所から出て行った。





やれやれ。と思いながら、姉と私は食事を続けていたが、妙に母が静かなので気になり様子を見に行くと、そこにマイマザーはいなかった。





玄関の鍵は開いていて、マイマザーの靴が無い事から、いつの間にか外に出たのは明らかだった。





窓の外を確認しても、家の周りにマイマザーの姿は無い。ほんの3分ほど前までは確かに居たのだから、まだそう遠くへは行っていないはず。





私は姉に声をかけて、スマホを持って外に飛び出した。小走りで花火会場の河川敷へと向かう。





すぐに追いつけるだろうと思っていたが、走って向かう道すがら、マイマザーはいない。もしかして、違う方向に行ってしまったのか?不安が過ぎる。





私が河川敷に到着する直前、花火大会の終わりを告げるアナウンスが聞こえ、大量の人が流れて来た。





これは下手すると行き違いになると思い、会場内には入らず、私は出口に留まり、マイマザーを目で探す事にした。





それにしても多くの人でごった返していて、見逃しそうで怖かった。私はひたすら、マイマザーの服装である茶色のベストと黄色のカットソーだけを探し続けた。比較的目立つ色の服装をヘビロテしてくれてた事が幸いした。





マイマザーらしき人物の後ろ姿を見つける。だが、家とは反対方向へと歩いて行く。私は人をかき分けながら後を追うと、ビンゴ!マイマザーだった。





見つかって良かった!夜道、人混み、家とは反対方向へ向かっていた。考えただけでゾッとする。





私はマイマザーの腕を掴み、家は反対方向だよ、と声をかける。するとマイマザーは、『まだ花火を近くで見ようと思ってたのよ。』と言った。取り繕いなのか本心なのかは分からない。





私が、花火大会は終わったって放送してたよ、と言うと、『そんなの聞いてないわ』とご不満気。またどこかへ行ってしまわないようにマイマザーと腕を組んで歩いて帰る事に。





その帰り道、マイマザーは花火の事はすっかり忘れていて、お祭りの屋台にお餅を買いに来たんだと話していた。先日の餅投げの時に1つしか拾えなかったのが悔しかったから。と。





あー、そう言えば、先週だったかな?街の公園のイベントで餅投げに遭遇したっけな。覚えてたんだ…。でもその時の餅投げでは1個も拾えなかったけどね。





帰宅してからも、お餅が買いたかった、お餅を売らない屋台があるなんて、信じられない!と繰り返していた。





今回は、お祭り+花火大会というイベントでソワソワしたというのもあるだろうが、マイマザーが夜に家から勝手に居なくなったということがとてもショッキングだった。





マイマザーの行動力、健脚、好奇心旺盛さ、それに加えて認知症状と抑制力の欠如が全てネガティブな方向に働いた事例だと思う。





今、私は、恐怖と不安で興奮状態。私の甘さが招いた今日の出来事は、今後しっかり改善しなければ。取り急ぎ備忘録。