ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン

交響曲第5番 ハ短調 作品67

 

 
いまさら説明するまでもない名曲中の名曲。
聞き飽きるほど聞いた。
いや、何度聞いても、誰の指揮で聞いても、聞き飽きることのない名曲。
 
今まで何枚CDやレコードを持ってたか思い出せないほど持ってたし、いわゆる名指揮者と言われる指揮者のものは結構聞いたと思う。
カラヤン、フルトヴェングラー、ワルター、トスカニーニ、小澤征爾、バーンスタイン、ベーム。
 
ぱっと思いつくだけでもこれだけ。
あとはなんだろ、ドゥダメルとかショルティとかサー・サイモン・ラトルとかバレンボエムとか上げればきりがない。
もちろん同じ指揮者で2、3種類、別の録音を聞いたのもある。
 
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サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
 
不勉強が恥ずかしい。
この録音で初めて知った。
 
当たり前の提示部は置くとして、第一主題が始まった1小節目でもう心を鷲掴みにされた。
何たるハイテンポ。
そして、くっきりはっきりした滑舌のいい演奏。
 
古楽器だからだろうが、雄渾な部分とレガートな部分の対比がすごい。
しかしそれがまたいい。
なるほどと思わせる。
 
木管がこんなに際立って聞こえる演奏も初めて。
なるほどこういう曲だったのかと思う。
 
きっちりした、バロックを思わせるアインザッツを聞いていると、なるほど第1楽章のあの「だだだだーん」というテーマは、第4楽章まで様々に形を変えながらもしっかりと承継されているのだということがはっきり感じられる。
第4楽章の提示部の「だんだんだーんだ、だんだんだんだんだーん」は第1楽章の「だだだだーん」の変形なのだとはっきり感じる。
「だんだんだーん」が「だだだ」で、「だ、だんだんだんだんだーん」が「だーん」の装飾形だ。
いやー、なんだこれ。伝わらんな。
 
まあ、とにかくこんな感覚で聞いたのも初めて。
 
いや、そんな細かいことはどうでもいいといえばどうでもいい。
それは聞けば自然にわかることで、説明するようなことじゃない。
 
とにかく、明るい。
力強い。
第3楽章で、もうハレルヤを聞いたジョージ2世ばりに直立。
 
第4楽章は感動の激流に身を任せて、ただただ悦に入る。
自宅のテレビでYouTube見てて「ブラボー!」って叫びたくなったのは初めてだと思う。
 
こんなに個性的で記憶に残る演奏はアーノンクール伯爵以来だけど、伯爵と違ってクセがすごいわけじゃない。
 
とにかく、聞きまくりたい1枚(じゃなくて1動画、か)だ。