西日本車体工業は西日本鉄道の子会社で、バス車体の製造メーカーです。バスの製造はオーダーメイドに近いものがあり、シャーシメーカーとボディメーカーが完全に分かれており、シャーシメーカーが直接すべてを製造することはないのです。バスのシャシーメーカーにはいすゞ・日野・日産ディーゼル・三菱ふそうの4社があり、純正車体を製造するメーカーも元は別資本で設立されたものが多いです。

昨今の少子高齢化によりバスの製造数は低迷していること、年々厳しくなる排ガス規制対策の開発費用高騰等により、バス事業の採算性は悪化しており、いすゞと日野はバス事業を統合し、傘下の純正車体メーカーもJ-BUSに統合しました。また富士重工業は主力の自動車製造に集中するためにバス車体製造・鉄道事業から撤退しています。これにより西日本車体工業が日産ディーゼルの純正車体メーカーとなります。また三菱ふそうと日産ディーゼルの2社は排ガス対策面での費用を抑えるために提携することになり、バス事業もOEMにより相互で車種を補完するようになりました。

この2社の提携で、三菱ふそうへも西日本車体工業製ボディーが純正車体として供給されることになりました。しかしこれは束の間のことで、日産ディーゼルと三菱ふそうはバス事業を統合することになり、純正車体メーカーは三菱ふそう傘下の三菱ふそうバス製造となるため、西日本車体工業への発注は激減することとなります。規模縮小による存続の道も探っていたようですが、事業としての継続は困難という結論に達し、親会社の西鉄から2010年8月31日で西工を解散することが発表されています。

西日本車体工業は九州の会社ということもあり、主に西日本の事業者が好んで採用していました。特に京都市交通局は大口取引先としては東端にあたり、約半数が西工で導入されています。小さいころから慣れ親しんだ西工車体がもう見られなくなるというのは残念であり、寂しくもあります。



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2008年度予算導入の日産ディーゼル車です。これが西工車体を大量に導入した最後の年になりそうですね。




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京都市交通局の場合、58MCから96MCへの切り替え時期には醍醐営業所の廃止で導入数を抑制していたことから、96MC顔のツーステップ車がありません。この日野車は最終時期のツーステップ車となります。




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少しだけ昔の西日本車体工業製車体も紹介しておきましょう。