3回目です。今回も、どうぞよろしくお願い致します。

 

ここ数回分の流れを書いておきます。

次は米津玄師のBOOTLEG、その次は嵐のつなぐ、その次はスピッツの醒めないという運びになります。

それでは、レビューへ。

 

 

 

 

 

心情的対話からの前進

 

 

一言で表すと、表題曲であるDoors~勇気の軌跡~はこういった曲だと感じております。

 

この曲は、櫻井翔主演で秋クールでやっていた「先に生まれただけの僕」の主題歌として起用され"商社マンが姑息な上司により学校の赤字を立て直すために校長になれ"という理不尽な異動から様々な経験をし、困難に立ち向かっていくという物語でした。

 

中身については楽曲ずつに触れるとして……一先ず曲目を。

 

通常版

1.Doors~勇気の軌跡~

2.NOW or NEVER

3.Perfect Night

4.BORDER

+カラオケ

 

初回限定版1

1.Doors~勇気の軌跡~

2.Winter days

 

初回限定版2

1.Doors~勇気の軌跡~

2.NOW or NEVER

 

 

3形態発売です。

ジャニーズはここ最近三携帯発売が多いですよね、嵐も類に漏れず。

 

初回限定版の1には、DoorsのPVとメイキング映像、2にはNOW or NEVERのPVとメイキング映像がついてます。歌よりも嵐の人柄ややり取りが好きな人は初回限定版も買っちゃうんだと思いますね。私は買いました。

 

それでは、一曲ずつ触れていきます。

 

 

1.Doors~勇気の軌跡~

 

 貴族探偵、忍びの国と世界観を重視した楽曲が続いた中、どちらかといえば普段の嵐に上手くドラマを溶け込ませてきた印象を受けます。

 前述したように、校長となった主人公"鳴海涼介"の成長や、人に対する激励的な部分を楽曲自体が大きく孕んでおり、まさに人の背中をそっと押してくれる前向きなミディアムバラードになっています。

 

 この曲はアルバム"untitled"より前に収録されたらしいのですが、既に歌の上達っぷりが反映されています。untitledのレビューでも書きましたが、やはり5人がそれぞれの役目の伸びしろを更に強化したのだと思います。

 最初の「Just stand by every moment  You're the only one」という歌詞。直訳すると「いつだって君の支えになるよ、君はかけがえのない存在だから」という意味になります。友情、恋愛、色々に当てはまり包容力を見せる一文をエモーショナルに歌い上げる二宮和也。楽曲の世界観に一気に引き込まれます。

 そこから繋がるサビ。5人全員により花が咲き乱れるかのような、スポットが当たっていた場所に光が乱反射するような鮮やかで温かい声が重なり合います。嵐は楽曲によって声の雰囲気を変えるのが異常にうまい。特に櫻井翔。優しい声も、不良じみた悪い声も出せる優等生であり帝王。

 1番にある大野と櫻井のソロパートは必聴。大人の優しい余裕ある声で、そっと背中を押してくれるような声に、勇気づけられた方も少なくないのではないでしょうか。

 

 歌詞はまさにドラマの主人公である鳴海涼介の心情や言葉に似せた歌詞をしていますが、苦悩し生きる人全員に激励を送るような歌詞になっています。頑張れとは言わない、でも一歩進むときっといい方向に進むよ。と、選択の幅を広げてくれるような曲だと思いました。サビの「もっと願い曝け出していい そう きっと正解ひとつじゃないから」という部分。ここにこの楽曲のポイントが集約されていると思います。

 控えめになるというのを履き違えて、臆病になり、自分の意見を全く言えない、自分の言葉でなんて言えばいいかが分からない、という方は多いのではないかなと思います。それはまさに「もっと願い曝け出していい」という言葉がカチリとはまると思っています。だって、願いを邪魔する権利なんて、誰にもないのだから。

 それに、自分の中で正解と思えればそれでいいんです。正解なんていくつあってもおかしくないんですから、私もこの歌詞にすごく勇気付けられました。

 

 流石ドラマ主題歌。綺麗にドラマの世界観を流し込んで、それを普通のミドルバラードに昇華させているのが聴き手に親切ですよね。ドラマを見てない人にも、様々な感情が生まれる優しい一曲です。

 

 

 

2.NOW or NEVER

 

 Doors~勇気の軌跡~より一般的な知名度は高いかもしれません。ガンホー・オンライン・エンターテイメントのゲーム、パズル&ドラゴンズのCMで起用されて話題になりました。「Put your hands up yeah yeah wow wow wow」という子気味いいリズミカルなメロディーと歌詞が耳に残る楽曲です。

 

 一曲目で聴かせる曲をもってきて、二曲目にこういう楽曲を持ってくるの、流石だなぁとしみじみ。Doorsで書いた通り、嵐は楽曲の雰囲気に声をとても上手く照らし合わせてきます。聴かせる曲は優しかったり、親身だったり。楽しい曲はただただ嵐も楽しそうな声だったり、雰囲気を作るのがうまいのでしょうね。

 この楽曲はどちらかといえば楽しい路線です。まぁ歌詞からしてそうですよね。音もパズドラを意識してかは分かりませんが、跳ねるようなサウンドになっており、軽快なポップチューンとして成立しています。

 

 また、嵐初の小ネタとして、CMと販売されている音源の歌詞が違うというスタイルをとっています。「Battle to the music 距離も超えて」とCMで歌っているのですが、実際の音源は「Dance  to the music 距離も超えて」とパズドラから嵐よりの歌詞になっています。長年パズドラのCMをやっている中で、初の楽曲起用ということもあり力の入れ具合が伺えますね。

 

 タイトル「NOW or NEVER」は直訳すると「今やらずにいつやるのだろう、今しかない」という文になります。そのタイトル通り、勢いのある攻めと爽快感が同居する一曲です。

 

 

 

3.Winter days

 

 初回限定版1に入っている楽曲です。個人的にジャニーズってこういう感じだよね、っていう曲。かわいらしくもあり、どこかエンターテインメントのような声が広がり、明るい未来を描いている、というような。第一印象は王道な感じですね。

 この手の曲はジャニーズを好きなのか音楽を好きなのかで結構好みが別れる気がしますが、私はたまにはこういう曲があってもいいと思う派ですね、サラリと入ってくるメロディーや声が何も考えずに聴ける、メッセージソングというよりは底抜けにハッピーといった感じで、1曲目に表題でもありこのシングル一番のメッセージソングが入ってるわけですから、イイ感じに抜け感というものが出てると思います。

 

 しかし、嵐は割と失恋ソングや叶わない恋のような歌が多いです。アルバムに一曲は入ってるんじゃないかってくらい割合高く失恋してるんですよね。君たち失恋しないくらい性格も顔もいいでしょって感じなんですけどね。いつも明るい未来を描くの失敗してるグループなんですよ。

 だからこそ、この曲は聴いたときにずいぶん幸せな歌だなぁと思いました。新鮮、新鮮。

 

 「会えない時間さえ恋と呼べるけど」や「君がいること Ah 最高のプレゼント」など直球過ぎるくらいに相手への恋心を伝えています。

 好きな人ができた時の初々しさや恋の楽しさをアイドルが歌ってくれるというのは、夢があって素敵だと思います。メンバーが段々30代後半に差し掛かってますからね。大人の色気溢れる恋愛バラードも期待してます。

 

 

 

4.Perfect Night

 

 ここから二曲は通常版に入っている楽曲です。

 

 ちょっぴり大人な、でもどこかロマンチストな歌詞のラブソング。音作りも比較的おとなしく、ベースが主体となったサウンドが光ります。CDの雰囲気を一気に変えるような、優しくも重たい音が響いている曲です。

 

 嵐それぞれも歌い方を変え、どこか哀愁漂う大人な歌声を披露しています。個人的にはこういう曲は櫻井翔と二宮和也の表現がすごく嵌ると思います。なんというか、この二人は楽曲に色を付けるのがとても上手いと思います。巷では櫻井のSと二宮のNを合わせて磁石コンビなんて呼ばれていますが、まさに磁石のように楽曲にピタリとくっつける二人だなと思いますね。

 そこに相葉雅紀の優しい声、松本潤の安定感あるハモり、大野智の温かくも切ない歌声が合わさり、嵐という一つの音楽的世界観を作り上げているのだと思います。

 

 やっぱり寝る時だなぁ、寝る前に聴きたい曲。睡眠導入剤みたいな曲だと思いました。

 

 

 

5.BORDER

 

 通常版、やってくれたなって感じの曲。ぎらついたカッコイイ嵐はここです。これ、シングルカットしてもイイでしょって私は思いました。

 そう考えたら通常版はとてもバラエティーに富んでいて、1曲目で優しさあふれるミディアムバラード、2曲目は明るく前を見据えたポップチューン、3曲目は大人の世界観溢れるミドルバラード、そしてこの4曲目はスリルさを求めたキラーチューン、といった感じですかね。

 

 衝動的に大野智のソロから始まるこの楽曲は、まるで何かのドラマの主題歌のようにサビで爆発的に盛り上がります。ファンは大野智ソロからもう爆発でしょうけど。もちろん僕もビックバンもびっくりなくらい爆発しました。

 

 疾走感溢れる駆け抜けるようなメロディーと速度の楽曲は、聴いててドキドキしますし次はどんな展開なのだろうとワクワクしてしまします。そしてこういう曲になった途端に驚くほど顔を変える二宮和也、野生まるだしな歌声が聴いている人間の感情に訴えかけますよね。私は「Lotus」の大野二宮のフェイクを聴くまで死ねない。

 

 これを基にドラマ作ってほしいくらいです。スリリングな展開だからこそ、刑事や探偵ものが良いですね。ある事件をきっかけに偶然知り合った五人が、その謎を追究していく過程で絆が芽生えていく感じのやつが良いです。

 大野智は世界を飛び回る気象研究家、櫻井翔は世界を股に掛ける財閥の代表、相葉雅紀は世界一周を目標に飛び回っているバックパッカー、二宮和也は海外出張を繰り返し疲弊しきった仕事を辞めたがりなリーマン、松本潤は国際警察。

 知り合わないはずの五人が偶然同じ飛行機で事件に巻き込まれる。事件はもう始まっているのに我関せずな彼らが徐々に力を合わせだす。的な内容で2時間ドラマを一本お願いしたい。

 お願いします。

 

 

 

 

 全5曲のレビューでした。

 アイドルはやはり楽曲の方向性が様々で聴いていて飽きないです。今月発売のドラマ「99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ」の主題歌も楽しみですね。

 

 長文、お付き合いいただきありがとうございました。

 是非、一聴を!それでは、また。