声が出なくなってわかったこと | 真理のパフォマー 女優セラピストヒーラー くみちゃんのレッツらゴー。
杜の都の演劇祭2014
プログラムA
「永遠のジャック&ベティ」
「田村はまだか」

が終わりました。

ご来場くださいました皆々様、本当にありがとうございました。


{090DCE79-9408-4FF0-B3CA-2A13910E365F:01}





本番の3日目の11月26日の朝、
起きたら声が出なくなっていました。






まったく!!!!!



まったく出ない。





何度うがいをしても、
最強の喉飴ハーブラストを舐めても、
白湯を飲んでも、
ヒーリングしても、





出ない。






前日まで、絶好調で出てたのに。

「くみこさんの声は素晴らしいねえ。
声だけ聞いてると、20代にしか聞こえないねえ(笑)」
と、おひねりまでいただいたのに!




本当に、悪い夢にしか思えなかった。

ホラー映画の主人公になったようだった。



でも、原因はすぐに分かった。


この10月と11月、毎週何かしら舞台の本番があって、
とっても充実していたけど、
確かに疲れていた。

「よくぶっ倒れないよねー、
よく声が潰れないよねー、
普通だったらもう声が出なくなって倒れてるよねー」

と、夫と笑いながら話していたのだ。
だって本気でそう思っていたの。



「思った通りになっただけだ」


と、思った。


だから、
「本番までに何とかなって、必ず大丈夫!!
って思えば、大丈夫!!!!」


今出来ることは、ディレクターの戸石さんに連絡して、事情を説明し、病院に行って最善を尽くすこと、
ヒーラー仲間の徳ちゃんと珠ちゃんに連絡して、遠隔ヒーリングをしてもらうこと、
徳ちゃんには良さげな耳鼻咽喉科も教えてもらった。

でも調べたところ、その全ての病院が水曜日休診だった。

とりあえず、9時に近所の病院に駆け込んだ。

症状を話して、11時から始まる芝居の本番までに、声が出るようにして欲しい、
とお願いすると、

断られた(T_T)

そのような経験がないのと、
今出来る応急の治療がないとのこと。

なんて正直で誠実な先生なんだ!!!
あたしゃ感動した。

車に戻って、夫が探してくれた病院に電話した。
診察しないと分からないとのこと、
診察してくれるんだ!!!
ありがたい!!!!
急いで向かい、
鼻からカメラを入れて声帯の様子を見た。


声帯は、唇を縦にしたような形になっていて、
普段は左右がくっついている。
それが震えて声が出る仕組みなのだが、
私の声帯は、完全に離れてすき間があいていた。
そしてキワが白く水ぶくれになり、
脇に白い水疱が二つあった。

時間をかけないと炎症が治まらないこと、
今もものすごく力を入れれば、ひどい声が出なくもないこと、
でも今ムリをすると長引くこと、
最悪ポリープになる可能性もあること。

を、先生が噛んで含めるように説明してくださった。


前に、声が出なくなった役者さんが、
喉に直接注射をして声を出した、
と聞いたことがあったので、
それをしていただけないか、
泣きながらお願いした。

そんな注射はないし、点滴でステロイドを入れることも出来るけど、
それは呼吸困難の緊急処置で、
声帯に直接は働きかけないし、
全身的な副作用の方が心配。

非常に残念ですが、
今私にできることは炎症止めのお薬を出すこと、
吸入すること。

しか、ありません。


と、先生はハッキリ言い切った。


吸入をお願いして3回やり、
会場のかに八さんに着いたのは、
開場10分前の10時20分。


現実的に、どうするか。
4人で話した。

「永遠のジャック&ベティ」
は、松崎太郎がカツラを被って、ベティをやるか。

太郎さんはカツラを被ってみた。
ヒゲ面なのに、あまりに似合っている。
セリフを言ってみたら、しっくり来ている。
ものすごく面白くなる可能性を秘めていた。
でも、話しの最後に、
ジャックがベティとの
「セックスを欲する」
くだりがあり、それはあまりにキワドイだろう、ということになった。
カツラを被って真剣に話す太郎さんを見てたら、思わず爆笑した。

そしたら、何かがプツンと切れて、
涙があとからあとから溢れてしまった。

絶対泣かないって決めてきたのに。

泣いて解決することじゃないし、
泣いたら負けのような気がしていたから。

どうにもならない、
ということを認めるみたいだったから。


ものすごく低い、幅のない声が、幽かに出るには出ていた。

音楽のブルースハーモニカ世界チャンピオン、吉田ユーシンが、マイクを貸してくれた。
マイクを通せば、囁くような声で何とかいけるかもしれない。
2本目の「田村はまだか」の方は、
出来るところまで読んで、いよいよ声が出なくなったら、やりながら私の担当のところを割り振ることにした。

着替えながら、めぐみさんがオイルでマッサージをしてくれた。
ユーシンさんもヒーリングをしてくれた。
「大丈夫だよ。大丈夫。」
何度もそう言って、目を見つめてくれた。
あっという間に開演時間になり、
戸石さんに手を握ってもらい、
私は震えながら舞台に出て行った。


長くなったので、続く。