映画はうっかりネタバレしてしまう可能性があるので、ご注意を。

アルモドバル監督作品は、外せないのだ。





ストーリーのラインだけ追えば
この上なくグロテスクな正体なのに、
感情はその理屈を総て吹き飛ばしてしまう。
嫌悪感を覚えるよりも切なくてやり切れなくなってしまうのは、
女が美しすぎるからなのか。

それよりもなにより、
アルモドバル監督の果てしない問題提起がここにある。

愛は、
ハードウェアの肉体に巣くうのか。
ソフトウェアの心に宿るのか。

バンデラス扮する外科医は冒頭で、
人のアイデンティティとしての顔について言及する。
「ベラ」は、最終的には肉体に飲み込まれない。

理想と現実の具現化か。
或いは、自己と他者視点のどうしようもない捻れの構図か。

世界で一番憎むべき人物が
世界で一番愛おしい人物の顔と声とプロポーションで現れたら?

愛さずにいられるのだろうか?


ストーリー外では、
衣装がゴルチェであるのですが、
虎のコスチュームとボディスーツがいかにもゴルチェで微笑ましい。

ボディスーツを纏ってのヨガのシーン、
人の体の美しさが十二分に表されていて素晴らしい。
少なからず、人体というモノに拘りがあるのだろうと。

ヨガ、盆栽と、ひっそりした東洋趣味に、ニヤリ。