セザンヌ。
エルミタージュ。

こんなヘッドライナー級の企画展を同時期に開催なんて、国立新美術館、派手なことをやってくれる。

マチスがどうしても見たいから、エルミタージュはマストだ。
が、セザンヌもやはり外せない。
というわけで、ひとまず会期終了の迫るセザンヌを見ることに。





100%セザンヌ、と謳っている通り、見渡す限り、セザンヌである。
風景、人物、静物に至るまで、漏れなくセザンヌを網羅している。

個人的にセザンヌは微妙な位置を占める画家なのだ。
彼の人物画は興味ない。
風景画はその茶がかかったオレンジの土とブルーグレイの曇り空がなんとなしに気を重くさせる。
対照的に、
静物画はその中身が詰まったようなどっしり感がとても好きで、見ていて飽きない。

そんな私のテンションをフルコーラスでお贈りできるような、そんな展示でありました。

フライヤーやチケットに使われている「リンゴとオレンジ」はまさにクライマックス(笑)。


休日の午前中、人の入り具合もほどほど(ただ、これはエルミタージュに人が流れているような気もする)。

展示として、とても見応えがあり、尚且つ息切れをしないで最後までじっくり鑑賞できる、絶妙な質と量であるのでないかと思うわけです。
なんとなくセザンヌって一人企画展に名前が出る画家(例えばゴッホとかピカソとか)のなかでは若干地味なタイプな気がしているのですが、
一時代を築く起爆剤的な位置のアーティストであるし、見ておいて損はないな、というわけで、

案外、オススメの展覧会です。