おはようございます!海に近い湘南藤沢辻堂で「ハーブとアロマのマニア」と自他ともに認める「kumincure」かくもとくみです。西洋のハーブだけではなく日本の大地に根付く植物に関心が高まり、日本の植物のよさを伝える活動をしております。その一つが「クロモジ」です。
クロモジというと、お茶席のお菓子についてくる楊枝を思い出す方が多いのではないでしょうか。福岡や熊本、四国や飛騨高山、佐渡島や秋田と日本のいたるところにある山に、子孫を絶やすことなく静かに生き続けている背の低い樹木です。香りがとてもよいクスノキ科のグループです。冬になると葉を落とす落葉樹で、2月下旬ごろから芽吹きだし、桜の開花のころに黄色いかわいい小さな花が咲きます。花の咲く時期は桜よりも短く10日ほどであっという間になくなってしまいます。
7月ごろからかわいい青い実がつき、1つにぎるだけでもよい香りが手に残ります。残念ながら地元藤沢の海の方にはクロモジは生息しておらず、我が家も4度苗から植えたのですが、4度とも潮風や強風で枯れてしまいました。藤沢でも少し標高が高く海風の当たらない場所には生息しています。写真は2021年3月に訪れた俣野別邸庭園にあるクロモジの花です。
俣野別邸庭園ホームページはコチラ→http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/park/matanobettei/
過去に記載したクロモジのこと↓
2018年春のクロモジの花の様子→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12366194731.html
2019年夏「クロモジの小柴垣をつくったよ」→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12485227344.html
2019年夏「クロモジの染色実験」→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12479785836.html
2019年11月「一世一代の大嘗祭、クロモジのこと」→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12545357768.html
2021年春「クロモジのことを知ってほしい」→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12662404875.html
福岡八女のケクロモジの枝を、幸せ国産アロマの社長さんから送っていただきまして、お茶にしました。きれいな色でしょ♪
クロモジを活用した歴史は古く、源氏物語にも登場します。賢木の巻(第十帖)に源氏と六条御息所の切ない別れの話として京都嵐山にある野々宮神社がでてきます。野々宮神社にあるクロモジの小柴垣とクヌギの樹皮付の鳥居が別れとともにもののあわれを上手に醸し出しているのです。もちろん野々宮神社には行きましたよ!おそらくyuicaスペシャリストならば大抵の人が訪れているのではないでしょうか。
2019年秋に訪れた様子→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12522095933.html
わざわざ京都の嵐山にいって実物をみてきたわけですが、なんと我が家のすぐそばの茶室にクロモジの小柴垣があったのです!!その茶室が開催されるつむぎ茶会で森の植物のお話しをさせていただいてますが、クロモジの話をさせていただけました!
気配りと木配りの言霊をかけまして、クロモジの枝をお土産にしました。
風の流れとともに湯煙がまい、クロモジの香りが煙とともに舞いました。鳥の鳴き声と木々のゆらぐ風の音とともにクロモジの奥ゆかしい香りが舞ったのです。なんとも貴重な時間なのでしょう。参加した方しか味わえない時を過ごせました。香りがたちのぼりましたよ!
二日にかけてクロモジの話をさせていただきました。なんと1度目と2度目の掛け軸がかわっていたのです。 「一度目の久美さんのお話しを聞いて、こっちの方がピッタリだと思ったの」とおっしゃってくださいました。その心に感動しました。
一度目の掛け軸
百花春至爲誰開
百花春至って誰が為にか開く
「春が来て花々が咲き出るのはいったい誰に見せようとてか。せっかくの満地の花をなぜ見て取れぬのか」「春の花は何人のために開く」
二度目の掛け軸 一度目の話を聞いて、この掛け軸の方が場に合っていると感じてくれたそうです。なんてありがたいのでしょう!!
山色清浄身 ( さんしょくしょうじょうしん)
美しい山の存在そのものが清浄な仏の姿である。清らかな悟りの境地。
山の景色、自然そのものが仏の姿。うん!ほんとにそう思います!
クロモジの話にちなんで、春の野をイメージしたねりきりをご用意してくださいました。ちょうちょがお花にとまっていて食べるのがもったいないほど!中は練り餡がぎっしりつまっておいしかったです。 この和菓子に添えられているのが欠かすことのできない「クロモジ」の楊枝です。
今回の楊枝はいつもよりも野生的なクロモジの楊枝を敢えて選んでくださいました。
一期一会を大事にする心 もう二度と同じ会はないのだから、できる限りのおもてなしをしたい。そんな茶のおもてなし精神を私はこの場所で毎回学ばせていただけてます。 たとえ一年後に同じ人と同じお茶を同じ天気で同じ掛け軸のかかったところで飲んだとしても違うのがたった一つだけある!なんだと思います?その答えは、滴水庵に足を運んで感じてください!
神奈川県藤沢市辻堂太平台の閑静な住宅地にひっそりとたたずむ茶室です。その昔は一日一組限定の茶懐石の場であり、近所の住民であっても中に立ち寄ることはできない場所でした。
神奈川県藤沢市辻堂太平台一丁目10-25 個人の所有地であり完全予約制の茶室となりますので勝手に中に入ることはお控えください。 tekisuitk5@gmail.com
070-3834-8180 内海貴子さま 宮大工さんが作られた三重塔と池もあります。
2021年3月「日本人のおもてなしの心を滴水庵で学ぶ」→https://ameblo.jp/kumincure/entry-12659786620.html
私は滴水庵に足を運び、内海貴子さんと会話をしていく中で、日本人のおもてなしの心、わびさび、日本人の人への敬意の表し方、茶道の礼儀、わきまえ、一期一会の心の尽くし方、誠心誠意とはなど、毎回ハッとさせていただけてます。
かけがえのない時間であります。現代を生き抜く方々は私も含めてとても忙しい。忙しいからこそ1か月に一度は時間を作って静寂な茶道を感じる必要があると今では心から思えます。茶道の作法は細かいし覚えることがたくさんあるという。けど、ただ作法を覚えただけではだめなんだと。そこに心があるかどうかはお客様に必ず伝わる。たとえ順番が間違ったとしても、たとえ忘れたことがあったにしても、そこに「気持ち」があればいい。それがお相手に対しての誠意・敬意だと。
私は作法を知らないと最初に伝えました。おかげで丁寧に作法を教えてくださいました。一番いけないのが知ったかぶりしてわかったふりをすること。 最近最後の片付けの一部をお手伝いさせていただけるようになりました。その最後の片付けにも「心」があり「無駄がない」。お湯の一滴も無駄にしないその動きに心を奪われました。お掃除させていただけてありがとうございます。そういう精神を感じるのでした。
この場所に何度も訪れている方も。はじめて訪れた方もまた来たいと思う茶室です。
✔和菓子についてくる楊枝としか思っていなかったのですが、こんなに奥が深いとは思いませんでした!
✔まさかお話しにでてきたクロモジの小柴垣が滴水庵にあって、実際にお湯をかけて香らせてもらえるなんて貴重な体験でした!
✔前回の松の話に続いて「クロモジ」の話も期待を裏切らなかった!
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地元湘南藤沢・辻堂でアロマとハーブの講師活動をしています。 ご参加者の多くの方々から「マニアック」と言われています。 ・ぽんぽんとめどなく話がきける ・引き出しが多い ・質問したことにきちんと答えてくれる ・難しいことだろうにわかりやすく丁寧に説明してくれる ・明るく質問しやすい 詳しくはコチラをご欄ください↓
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