論文100本ノック #003 パフォーマンスに関する研究の課題と現状 | サッカーとモバイルが好きなコーチくみくみのブログ

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論文100本ノック #003

■タイトル:

パフォーマンスに関する研究の課題と現状

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaiop/23/2/23_117/_pdf/-char/ja

 

■著者:

 蔡 (草かんむりに仁)錫

 

■論文の種類:

調査研究

 

■概要:

・パフォーマンスの研究領域の分類

 ①共分散

  個人のパフォーマンスに影響を与える様々な要因を究明しようとする研究領域。

 ②妥当性

  尺度がそもそも測定しようとしている構成概念をどれくらい正確に見極める研究。

 ③人事考課

  組織が特定のパフォーマンス尺度を用いて人々を評価する際に、定められた期間内に被考課者が実際に成し遂げた

  パフォーマンスのレベルを考課者がどのくらい正確に判断できるか

  

・1980年代までパフォーマンス研究が抱えていた問題点

 ・妥当性研究の領域

   1980年代後半までほとんど行われていない

   見かけ上妥当と思われる尺度を便宜的に使ってきた

   従属変数の軽視

 ・理論と現実の乖離(客観と主観の対立)

 ・パフォーマンスを主に職務成果に限定してきた狭い視野  

 

・パフォーマンスの定義

 1.パフォーマンスを「結果概念ではなく、行動として捉えている」

 2.パフォーマンスは「あくまで評価的な概念」

 3.パフォーマンス行動は「間歇的に起きる(不連続性が存在する)」

 4.パフォーマンス行動は「多面的に起きる」

 

・パフォーマンスの4つの次元

 1.タスク・パフォーマンス

  組織が生産・適用している製品やサービスに密接に関わる個人の行動。

 2.コンテクスチュアル・パフォーマンス

  お互いの調整やコミュニケーション、協力・共同行動

 3.適応パフォーマンス

  変化のもたらす新しい問題や複雑な課題を創造的に解決する行動など

 4.反社会的パフォーマンス

  組織有効性を阻害しうる個人の行動


■課題: 

 ・パフォーマンスの4つの次元の間の弁別妥当性

  それぞれの次元に影響する要因の比較検討  

 ・個人差研究だけではなく状況要因の取り入れ  

  例)気の合う上司か否か

 

■自分の感想:

自身の人間科学部のレポートでも検討したのですが、「パフォーマンスの向上」という言葉は、

通常の仕事でもサッカーでも(※1)よく聞かれます。

自分でも「パフォーマンス」という言葉を使いますけど、解像度高くなくない?ということで

「パフォーマンス」とはなんぞや?どんな研究がされているのか?という観点で読んでみることにしました。

 

※1 FC東京 マッチレビュー 5/11柏戦 

ピーター・クラモフスキー監督

「~この後、自分たちのパフォーマンスがどうだったのか振り返りをして、継続しているプロセスを踏みながら、しっかりとコンディションを回復して次の試合に向かっていきたいと思います。

 

クラブ内では、もっと具体的なパフォーマンスの話があるかと思われます…が、

タスクパフォーマンスのポジションどりなの?走行距離なの?戦術の徹底なの?1on1の局面判断なの?

コンテクスチュアルパフォーマンスの、チーム内の雰囲気の活性化やうまくいっていない関係性のところにテコ入れなの?

それとも10人になったとき当初のゲームプランから変更されたことへの適応なの?

などなど、疑問はつきないところではございます。

 

2.コンテクスチュアル・パフォーマンスは、定量的に測るの難しいなーと思います。

「ああちょっとこの人パフォーマンス落ちてる」って時に「どうしたん?」って声かけて、

「いや実はあーでこーで」「うんうん」「あーでこーで」「それでどうしたいん?」「ああ!やるw」みたいなことが

できる人だと、例えば思うんですね。

この「どうしたん?」の人、上から見えんもん。。。「ああ!」の人が言ってくれれば良いけど。。。

「どうしたん?」の人は自分はタスクパフォーマンスはそこそこだったりすると、外したあと

みんなのパフォーマンスが下がって、あれなんで?になる、なったところを見たことが…。

 

4.は個人的に、仕事や組織じゃなく個人の生き様からの課題だと思うので、

なかなか論文レベルで扱うのは難易度あるかなと思います。

心理的安全性を爆上げして、全体的に予防はあるのかもしれません。