■ 桜坂劇場の歴史■


・ 1952年 
『珊瑚座』設立
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当時の映画ブームに対抗するために、真喜志 康忠さん(Coccoの祖父)をはじめとする、劇団直営の劇場役者たちがお金を集めて、現在の那覇市牧志3丁目に沖縄芝居常打劇場『珊瑚座』を建設。経営者の山城善光さんが、地元である沖縄県北部の山から100本の桜を運び、周辺一帯に植樹。そこから『桜坂』という地名が付いた。

『珊瑚座』を中心に、バー・キャバレー・クラブ・スナック・民謡クラブ・ストリップ小屋等が立ち並ぶ、最も賑やかな歓楽街『桜坂』の誕生。


・ 1953年
『桜坂琉映館』オープン

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時代の変貌の下、県内の多くの劇場が看板を下ろす中、1953年、『珊瑚座』も琉映貿に珊瑚座を譲る。「桜坂琉映館」と改称。後に「桜坂シネコン琉映」となる。主に松竹や東映、日活系の作品を上映。

改築、増設を重ね、現在の桜坂劇場の形の建物が出来上がりました。
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やがて沖縄でも大型シネコンの建設が進み、街中の映画館が姿を消す中、2005年4月10日、「桜坂シネコン琉映」閉館。この頃には県内随一の歓楽街『桜坂』も、閑散とした姿に変貌。
(※【最悪期には沖縄で「桜坂」と言えば「場末」と同義語に近かった】From Wikipedia)
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・2005年7月 
『桜坂劇場』オープン
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資本金:3000万円
経営:株式会社クランク
映画監督、音楽プロデューサー、雑誌編集者、映写技師といった共同出資者による経営。

3スクリーン
ホールA:300席
ホールB:100席
ホールC:80席
(「桜坂シネコン琉映」からの借受)

現在の会員数:10,000名
毎月、カラーp.20の会報を作成し、会員へ発送。
3ヶ月に一度は、市民大学のカラーp.24のパンフレットも作成、同封。

街中に映画館が無くなることを危惧した現在の経営陣が共同出資し、閉館した「桜坂シネコン琉映」の建物を機材ごと借受け。開放的な雰囲気へと改装をすすめ、劇場内に自社経営のカフェCha-gwaや、セレクト書籍・雑貨店ARTIST SHOP PANA、セレクト古書店ふくら舎を併設。
上映作品はミニシアター系の作品中心。旧作をはじめ、各種特集上映等を企画、上映している。
劇場内だけではなく、今年度は、県内約30カ所で「さんかく山のマジルー」のキャラバン上映を敢行。
劇場では映画以外にも、音楽ライブや演劇、舞踊等のイベントも開催。また、100を越える講座を揃えた「桜坂市民大学」を年間4クールのスパンで開講。1年間の受講者数は延べ3500名。現在第10期生募集中!
劇場を中心に、再び桜坂の地に賑わいが戻ってきました!
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《現在の劇場の様子はこんな感じです》

カフェ Cha-gwa
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エントランス
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ARTIST SHOP PANA 店内
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■桜坂劇場での上映作品■

・上映本数
2005年度:241本
2006年度:280本
2007年度:228本
2008年度:225本
2009年度:288本
トータル:1262本

ヒット作ベスト11

1. 恋しくて
監督による沖縄直接配給/宣伝作品
桜坂劇場ホールAがパンクする程の観客がかけつけ、未だにこの記録を破る映画が表れません。

2. さんかく山のマジルー
監督による沖縄直接配給/宣伝作品
世界遺産中城城跡で開催した二夜限りの先行上映には、日本全国からファンが駆けつけ、盛り上がりを見せました。
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3. かもめ食堂
全国でも、週のアベレージが上位にランクインする程の大ヒット!
邦画ブームの火付け役的作品。その後の『フラガール』のヒットにもつながった、優等生作品!

4. フラガール
アンコール上映すると、常に行列。沖縄のマダムの話題をさらったマンモス映画。「ストーブ貸してくんちぇ」が流行語に(?)

5. 琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス
沖縄の映像作家3名によるオムニバス作品。キャスト、スタッフ全てが沖縄在住の、正にメイドイン沖縄映画。地元を愛する沖縄県民のハートを上手くキャッチした作品。

6. ホテル・ルワンダ
劇場をオープンして、初めての大ヒット作。毎回行列、サントラも良く売れました。

7. 闇の子供たち
救いの無い、異常に重い内容が、県民の問題意識を呼び覚ました作品。「観なければいけない」と、老若男女問わず、大勢が駆けつけた作品。

8. めがね
初日のもたいまさこさんの舞台あいさつに、早朝から観客が殺到。結局2回あいさつをしてもらいました。「かもめ食堂」を観た皆さんが、心待ちしてくださった癒し系映画。

9. マルタのやさしい刺繍
予想以上に観客の平均年齢が高かった作品。男性の数が圧倒的に少ないのも印象的でした。監督も出演者もそんなに有名ではないのに、内容の良さが口コミを呼んだ映画です。

10.アンを探して
沖縄県出身の宮平貴子監督、初の長編作。沖縄の若い女の子が、男性でも厳しい世界で頑張って作り上げたことに、県民が感動。映画祭で賞をとったことで更に人気が爆発!

11.母なる証明
ポン・ジュノ監督の作品には珍しく、マダムが押し寄せ、全国的にもいい数字を記録!沖縄のマダムは母の映画が好きだと実感した作品。調子に乗って【ポン・ジュノ監督特集】を組んだところ、コケちゃいました。。。


不発作
ランクはつけられませんが、、、
監督がよくても、作品がよくても、面白くても、何故か頑に人気のなかった作品です。
・ ジョニー・トー監督作品
・ツァイ・ミンリャン監督作品(※「西瓜」はエッチな要素がうけて、好評!)
・ 『フロストバイト』
・『全身小説家』
・『ディア・ウエンディ』
・『猫目小僧』



エッチな映画なら失敗はないだろう!と思っていたら、失敗した作品です。ちなみに「サクラザカ・エロティック・フィルム・フェスティバル」というタイトルのもと、上映しました。
・『バッド・バイオロジー』
・『女殺油地獄』


■ イベント■

・開催数
2005年度:20公演
2006年度:38公演
2007年度:36公演
2008年度:40公演
2009年度:61公演
トータル:195公演

イベント出演アーティスト
(順不同)
● おすぎ
● 遠藤賢司
● 遠藤ミチロウ
● 友部正人
● タテタカコ
● 新良幸人
● 下地 勇
● 大島保克
● 中山うり
● リクオ
● 山口 洋
● おおたか静流
● OKINAWA JAZZ GUILD ORCHESTRA
● CINEMA dub MONKS
● 普天間かおり
● 原田知世
● 高良結香
● Ann Sally
● ショーロクラブ
● 比屋定篤子
● 白百合クラブ
● 新井英一
● ふちがみとふなと
● 畠山美由紀
● パリ、ミュゼット
●沢田譲治
●有末 剛

等々、沖縄県内外問わず、たくさんのアーティストの方々が、桜坂劇場でのイベントを楽しみに、年に一度、もしくは二度、公演をしてくれています。

2007年からは、「ASYLUM」と題したアートによる街フェスを開催。
上記の方々以外にも、数多くのアーティストが参加し、劇場だけでなく、桜坂一帯を同時多発的に音楽や映画、アートで彩るフェスティバルを3日間に渡って開催。
2008年、2009年は、それぞれ30組近いアーティストを迎えるビッグイベントとなりました。


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会場全体が激しく燃えた eastern youth のライブ

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豪華出演者が勢揃い

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沢田としきさんによるライブペインティングもステキでした

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アーティストさんの出身地の物産展も開催!

■桜坂市民大学■
桜坂劇場には、ホール以外に多目的に使用できるスタジオが2部屋あります。
もともと2006年2月から「桜坂ワークショップ」として、12~15講座を開催していました。その頃は1部屋だったのですが、2008年1月に部屋を2つに分け、約90の講座を開設。タイトルも「桜坂市民大学」へ改名しました。現在では劇場外でも講座を実施し、約140の講座を開設しています。映画関係の講座をはじめ、沖縄の歴史や芸能を学ぶ講座、エクササイズの講座、音楽、美容と健康、家計を助ける保険の講座もあります。


こちらはバイオリンの講座の風景です
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中江作品でもお馴染みの平良進さん、とみさん夫妻による「うちなーぐち(沖縄方言)講座」「沖縄芝居講座」は、初期の頃からの人気講座です。
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市民大学の発表会も好評で、1クール終了後には、一番大きなホールで成果を発表します。
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こちらはハワイアンフラの発表

■ キャラバン上映■
機材一式を持って県内各地で出張上映。2007年の『恋しくて』や2009年の『さんかく山のマジルー』では、県内約30カ所で上映会を開催しました。

主な上映地域
小浜島/黒島/西表島東地区/西表島西地区/石垣市
伊江村/名護市/与那原町/大宜味村/宜野湾市/伊良部町/宮古市/多良間島
金武町/東村/渡名喜島/中城村/久米島/本部町/今帰仁村/糸満市/読谷町/波照間島/竹富島
与那国島/南大東島/伊平屋島

映画館の無い地域での上映会は、環境が整っていない等、幾多の困難に遭いますが、待っていてくれた人々の気持ちが温かく、とても幸せな上映会になります。

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早い時間からたくさんの人がかけつけてくださいます

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場内には、小さなお子さんが地べたに座れるようにゴザを敷きます。島の公民館ならではです

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監督の舞台あいさつも大盛況。とても温かいお客様です。

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上映の荷物は大量!映写器具だけではなく、オリジナルグッズの物販も運ぶのですごい量です!監督もスタッフとして働きます!


以上が、主な桜坂劇場の活動内容です。
現在も様々なイベントや企画が水面下で進行中です。
今後もあらゆる年代や趣味趣向の方と、楽しく交わっていける場を作るため、頑張ってまいります!