京都から名古屋はすぐだった。新幹線でもすぐに着くし。寄る所もなかった。チェックインよりも早く着いてしまい、ファミリーレストランで昼食をゆっくり食べながらチェックインの時間を待つことにした。その時も雨が降っていた。ファミリーレストランに入って、妹はまた食事とチョコレートパフェを注文した。ファミリーレストランのメニューは写真があるから、障がいがあっても注文がしやすい。私はパスタと小さなデザート。妹は昔からこういうものが好きであった。父も好きで、父と食べていたかもしれないな、などと思う。

ゆっくりと食事をしてチェックインするホテルのことを調べていた。先ほど下見したら、駐車場が見あたらなかった。あれ?ここまで駐車場ありのホテルを予約していたのに、最後になって駐車場ありのホテルではないなんてどうしたことか。最後になって気が緩んだか。予約しすぎて(一度にした)、訳がわからなくなっていたのか。取りあえずホテルの前に車を止めて、ホテルに駐車場のことを聞きに行く。駐車場は近くの公共施設の中のものを使うらしい。荷物は今預かってもらえるらしい。駐車場までの地図をもらって、荷物を預かってもらい、駐車場に停めに行く。どうやら駐車場料金は割引があるが、多少は払う仕組みのようだ。ちょっと間違えたな。名古屋の真ん中で駐車場ありのホテルが安く泊まれるはずはないのだ。まぁ食事処や買い物などは歩いていけるしいいであろう。

ホテルの従業員はほとんどが外国人であった。外国に来て働くって大変なことであろう。日本語にニュアンスはあるが、とても礼儀正しく、丁寧に接客してくれる。臨機応変さもある。最近はコンビニや飲食店でも外国人が働いている。日本では接客業や看護介護の方面でも働く人が少ないから、外国人が働く機会があるだろう。仕事内容も大変であるし、異文化であるし、仕送りなどもあったりして大変であろう。そういうのって応援したくなる。日本はそういう面で待遇がいいのであろうか。外国人が働いてくれないと社会が回らないのも問題であるが、みんなで幸せになっていく道を模索しなければならない。もうそういう時代なのだ。

部屋に入って持ってきた荷物を部屋に入れて、ベッドに横になる。小さな部屋であるが、それなりに使いやすい。枯れてしまわないように、キキョウの苗も持ってきていた。車の中で2泊もしたら苗は元気をなくしてしまう。窓際に置く。少しゆっくりしてから夕食をどこに行くか探し始めた。もういろいろの店に行ったから、どこにするか思いつかない。居酒屋などで、手羽先を食べてみたいけれど、それもなかなか疲れそうだ。何がいいかな。近くには中華のお店の有名店があるらしい。最近は、ずいぶん前から、小籠包が流行っているらしい。何となく中華なら妹も喜んでくれそうだった。実家では中華料理をよく食べに行った。名古屋の中華料理店は若者向けにカジュアルなお店みたいであるし、一皿3000円〜とかだと敷居が高いが、そうでもなさそうだったから、その中華料理店に行くことにする。お店は少し歩くところにあった。雨がわりとしっかり降っていた。最初に泊まったホテルで大きな傘を買っていた。それにふたりで入って歩く。雨だから結構歩いた気持ちになって、店に着いた。ちょうど席が空いていて、ふたりがけの席に案内される。メニューを見ながら、決める。小籠包、手羽先、豚肉ときゅうりのサラダ、エビチリ、海老ラーメン、炒飯二種。今回の旅ではたんぱく質と、野菜を積極的に摂ることを目標にしていた。ただふたりで食べるには少し多いかな。まぁたまの旅なのだ。いいであろう。妹はどんどん食べ進む。私はサーブしながら、新しく届く料理を順番にさばきながらだから、時間がかかる。妹にたくさん食べてもらう。でも私的にも中華料理を食べるのがなかなかに久しぶりだったから、満足する。意外にきゅうりと豚肉のサラダが美味しかった。名古屋で手羽先を食べるのが楽しみだったから、それも食べられて美味しかったしよかった。たくさん食べて、妹も嬉しい声が出ていた。妹の嬉しい声が出る度に、隣りに座っている若い男性が何かを連れの女性に言う。私は気分が悪かった。喜んで声を出して何が悪いのだ。そういう気質なのか、たまたまその人にも障がいのある親族がいて、その人は外出させないようにしているのか、声を出すことは恥だと思っているのか、などと妄想してみたが、気分が悪くなるだけなので、やめた。食事を終わり、会計して外に出た。今回の旅でそのような思いはほとんどしなかったので、少し心が傷んだ。ほとんどがお店の人もお客さんもあたたかい目で見守ってくれた。雨はなかなか降り止まず、ほとんど濡れながらホテルに帰った。部屋に入って着替えて眠ってしまった。