旅行に出る前にいちご狩りがある場所をネットニュースで見つけていた。今はしゃがんでいちごを摘むのはトレンドではなくて、腰の高さや目の高さにいちごがくるように畑を高くするのがトレンドらしい。その宣伝の写真がとても可愛らしくて素敵で、いちご狩りなんて、家族で行ったら高いから行ったこともなかったが、妹と行ってみようと思っていた。そして現地近くなっていろいろ検索してみると、ネットニュースに出ていたいちご畑しかその日その時間リーズナブルという点で行ける所はなさそうだった。チェックアウトしてすぐそのまま次のホテルに行けばスムーズで、時間にも十分に間に合うし、その方が良さそうだが、気ままな旅なのだ。好きな所に行きたい。目的地である淡路島に行くことにした。

淡路島に行くには明石海峡大橋を渡らなければならない。兵庫県に行くと旅行者は立ち寄ると言われる淡路島だが、私は行ったことがない。神戸や三ノ宮は行ったことがあったが、淡路島は行ったことがない。行ってみたい場所でもあった。ワクワクしながら明石海峡大橋を渡る。橋の下は渦が巻いている。目的地に着いてみると、まぁ田舎であった。トマトの畑もある。淡路島に観光客を呼ぶために若い人たちが立ち上げたという感じの、おしゃれな考えられた施設だった。カフェレストランも併設している。大きな風力発電の風車が3基も見える。なかなか見ることがない。何となくテンションが上がっていちご畑のある温室に入る。温室は暖かく、しばらくいると汗をかいてしまう。いちごを食べる場所を備え付けのキャンプ用品のテーブル椅子で作って、いちごの摘み方を教わって摘む。初めての経験でテンションが上がる。畑の人に温室は暑くて作業も大変ですね、なんて話しかけたら、すぐに温室を換気して涼しく過ごしやすくしてくれた。妹には大きないちごを見つけては、ハサミで切りやすいように茎を手に取って切らせてあげる。持たされたいちごパックはしばらくすると一杯になって、そこで量り売りしてもらって買って食べる。木いちごみたいな野いちごみたいな味がする。娘が小さかった頃にどうしてもいちごが育てたいと言われて、玄関先で育てて食べたいちごと同じ味がする。持ち帰ろうかと思ったが、妹はどんどんどんどん食べ進む。全部食べる?と聞くと妹は頷いた。私も最後のひとつを妹にあげて食べ終わる。なかなか2パックめを食べようとは思わないものだ。

お昼の時間を過ぎていたので、カフェレストランで食事をすることにする。いちごパフェがあって、妹はそのメニューの写真に釘付けになっていた。いちごパフェを食べるのはいいが、ご飯になるものを食べなければお腹が足りなくなるであろう。妹の好きなグラタンが入ったパンの器のものを注文する。私はここでも食べ過ぎを予防するために小さなおかずにする。玉ねぎのスープだ。淡路島と言ったら玉ねぎであろう。妹も私も食事に満足しておしゃれな場所で気分良く過ごす。誰も私たちの邪魔はしない。ただ次の岡山のペンションに間に合うかどうかが問題なのだ。旅と運転が好きな私は淡路島を通って四国も通って瀬戸大橋から岡山入りしたかったが、そういう運転プランはなかなか検索に出てこない。そんな面倒なことはなかなかしないのであろう。私も時間があれば挑戦するが、岡山のペンションには門限があって18時までにチェックインしなければならない。仕方なしに再び明石海峡大橋を渡って岡山を目指すことにする。