それは、私が高校一年の春。
以前から犬や猫を拾ってきては、よその家にあげての繰り返しだったので、もともと動物は大好きだった。
その当時も十姉妹と文鳥を飼っていたにもかかわらず、高校の友人に「子猫が産まれたんだけど、いらない?」と言われ、欲しくて欲しくてむずむずした。
家人に相談すれば「家には鳥がいるのだから、襲っちゃうでしょ。それにどうせ最後まで面倒みきれないから、ダメよ。」と帰ってくるのが関の山だ。
どうしよう…どうしよう…どうしても欲しい!
女子高生の頭で一生懸命に考えたあげく、自分の部屋で飼えばバレない?!などと安直に考え、また友人に「メスだけとこちらで避妊手術するから、子猫は増えないよ」と言われ、その言葉にのってしまった。
どうやって引き渡してもらうかいろいろ考えたけど、日曜日だと「どこに出かけるの?」と親にばれるし、ない知恵を絞って学校帰りに友人宅の駅まで行き、学校帰りを装って連れて帰ることにした。
その頃私はJR本八幡駅より千葉方面に行ったことがなかったため、、船橋駅と西船橋駅とに分かれていることを知らず、船橋駅で1時間近くまってしまった。
……が、いくら待っても来ない。
2月の雨の降る寒い日だったため、待ちきれずいったん家の戻ってしまった。
家に帰宅し友人に電話すると、自分が駅を間違えていたことにやっと気がついた。
友人も子猫を連れて1時間位待っていたとのことだった。
悪いことをしたものだ。
そんなことがあっても諦められない私は、気を取り直して再度会おうと思ったが、その日はもう7時を回っていたため、これから出かけると母にばれてしまうと思った私は彼女の了解のうえ、日を改めて会うことにした。
次の日、今度は間違えることなくJR西船橋駅に向かい、待ち合わせの時間に改札口で友人と会った。
友人は藤の小さなバスケットの猫を入れやってきた。
キジトラの器量のいい猫でした。
友人は「可愛がってもらうんだよ。」と言って、子猫に頬ずりしてから私にバスケットごと子猫を渡してくれた。
その子猫は、ほんとにかわいかったо(ж>▽<)y ☆
絶対、この子は他にあげない!!
ちゃんと大きくなるまで飼うんだ!!!
「ちびちゃん、よろしくね!」と子猫に挨拶して、家路へと向かった。