今月の12日(土)から始まる舞台「オトコ・フタリ」の通し稽古に行ってきました。
 通し稽古とは、俳優さんが本番と同じ衣装をつけ、最初から最後まで通しで、まさに本番さながらに演じきるというものです。
 
「えー、こんなコロナの最中に舞台!?」とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、こんななかだからこそ、皆さんに素晴らしい舞台を届けようと、俳優さん、スタッフさんたちの努力はもう涙ぐましいものがあります。
 もちろん、PCR検査は全員が定期的に行い、私も、今回のために二度目の検査。陰性を確認しての参加です。
 すべてが完全防備のなか、行われています。

 狙ったわけではないのですが、登場人物が三人だけ、というのも、三密を避けるという意味でも、ありがたい結果となりました。
 本当に良かった……!

 そして、この舞台は、今回のために私が書き下ろした作品なのですが、これは、いわゆる古典ものが多い昨今にあって、非常に珍しいものなのだと聞きました。
 主役の山口祐一郎さんも、「本当にすごいことですよ。観にきてくださる方たちは、めったにできない体験ができるはずなんです!」とのこと。
 そういえば、山口さんが言ってくださいました。
「もう一生、田渕さんの作品にだけ出られればいい!」と!!!
 お世辞だとはわかってはいるものの、涙が出るほど嬉しかった……

 それはともかく、主役の山口祐一郎さんの、この人ありと思わせるカリスマ、浦井健治さんの人を引き込まずにはいられないチャーミングさ、唯一の女性、保坂知寿さんの七変化のごとき演技には大いに酔わされました。
 また、山田和也さんの細やかな演出には、「なぜこの人って、脚本家の気持ちをこんなにわかってくださるの?」と感動することしきり、でした。
 足を運んでくださったお客様には絶対に失望をさせない、というスタッフの意気込みにも深く深く頭が下がった通し稽古でした。

 思えば、今年も残すところひと月を切りました。
 あまりに劇的で、厳しい一年だったからこそ、皆様にひととき、夢のような楽しい時間を過ぎしていただきたいと切に願っています

 舞台『オトコ・フタリ』
 東京は今月12日から30日まで。
 日比谷の「シアター・クリエ」です。
 チケット完売の日もありますが、そこを避けていただいて、是非ともお越しくださいませ。
 大阪と名古屋は来月の上演となります。

 劇場で私を見かけた方、ぜひお声がけくださいませ!
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稽古場にて。左から、浦井健治さん、山口祐一郎さん、私、保坂知寿さん、演出の山田和也さん。