ロンドンから飛行機に乗り、空港で車をレンタルし、イタリアはファッションの街、ミラノに着いた。
しかし、まず、私は驚いた。
イタリアの街の汚さ!
あちこちにペンキで落書き。
こ、これがイタリア?
そして、息子の運転する車は一路ミラノを目指しているのだが、いつまで経っても、なんだかファッションの街がない!
そのうち、「ほい、ホテル着いたよ」と息子に言われて、「えっ、ここがミラノ?」と仰天。
要するに、私が思い描いていた華やかなミラノとはなんだか大きく食い違っていたのだ。
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「おかしい、ここはミラノじゃないよ」と言う私に、息子との娘が言うには、「まずは感覚を正せ」とのこと。
イギリスに留学していた子どもたちからすると、ヨーロッパはいい意味での「田舎」であり、それを、とんでもない都会と思い込んでいる私の感覚こそがおかしい、と言うのだ。

ヨーロッパが田舎!
そして、ミラノも田舎!?
ここから名だたるハイブランドたちが世に出たわけ?
うーん。

どうにも納得できない私は、街一番のハイブランドが並ぶ通りに繰り出した。
路の両脇には、なるほど、これでもかとブランドショップが建ち並ぶ。
しかし、道路が狭い!
うちの近所の通りの大きさくらい。

「うーむ、なるほど」と私はうなる。
誰もが知るブランドたちは、この小さな街で生まれ出たわけだ。
小さな街なんて言うと、どこがじゃい! と言われてしまうかもしれないが、私の中のミラノはとにかく都会だった。
洗練された都会。
それが大きくくつがえされたのだ。

「そもそもあんたの常識がおかしい」と笑わば笑え。
とにかく私は驚いたのだ。

そして、一方で感激もしていた。
何かが生まれ出る土壌とはこういうことなのかもしれない。
この、美の国で生まれた人物がこの地味な?街で新たなる美を創り出す。
そして、小さな工房から生まれた物が世界を席巻する……。

すっかり納得した私は、とにかく見たかった、ドゥオモ(教会堂)に向かう。
そして、その前に立ったとき、私は鳥肌が立った。
写真をどうぞ。
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娘です。

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美しいでしょう?
ゴシック建築の最高傑作である。

ミラノには二泊したのだが、翌日ももう一度見に行ってしまった。

残念だったのが、ダ・ビンチの「最後の晩餐」が見られなかったこと。
日本で予約しようとして、三ヶ月先まで予約が埋まっていることを知った時はショックだった

ブレラ美術館では数々の名画を堪能。
いやあ、素晴らしかった。
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食べ物はおいしかった。
息子が見つけたささやかなワインバーで出されたプロシュートのおいしさは忘れられない。
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とまあ、とにかく、ミラノを車で出発した私たちは、水の都・ヴェネツィアに向かうのだった!


つづく