皆さん、大変ご無沙汰しておりました。

そして、この間に、私、なんと還暦を迎えました。
還暦って、六十ですよ、六十!!
信じられない。
気持ちは三十代くらいからまるで変わりません。
だた、ちょっと智恵がついたかな、というくらいの感じ。

私はありがたいことに、見た目があまりそれらしく見えないらしく、
皆さん、「ひょえー!」と驚いてはくださるのですが、それでも還暦は還暦。
「人生60年」と言われた昔なら、すでに棺桶に片足を突っ込んでいるという状況ですよね。

ただ、私はもともと好奇心が旺盛な女。
しかも物書き、ということもあり、「老いていく」ということにも興味が尽きず、これからの自分をしっかり観察、ご報告していきたいと思っています。

ということで、ひとつの区切りを迎えたわけですが、この還暦、私の周囲の方々もパーティーなどを開かれています。
女性は赤いドレスを身にまとい優雅に、男性たちもダンディに決めて、本当に皆さん六十歳ですか!? という素敵な姿を見せてくださいました。
となると、私も……ということになるのかもしれませんが、私は私なりに、自分らしい還暦を迎えたいなと思い、「うーむ、どうしよう」と悩んだ挙げ句行き着いたのが──

私は、私らしく海外でぐーたら迎えたい!

というものでした。
ぐーたらとなると、南の島でとなるのかもしれませんが、私のぐーたらできる場所とは……、ロンドンだ!
と私の心が言うではありませんか。

ロンドンはなぜか私の心を落ち着かせてくれる場所で、そこで好きなお芝居でも観て過ごしたい、そして、できることならもうひとつ別の国に……。
そうだ、いまだ見ぬイタリアに行ってみたい!

こうして、よくわからないままに、私の還暦旅行が決定し、決定するや、私はいつも旅行はすべて自分で手配するので、そこから私の旅行計画が始まりました。

先ほども申しましたが、私は好奇心旺盛な女。
私が手配する旅行はいつもかなりメチャクチャで、そこに巻き込まれる私の息子と娘はいつもとんでもない目に遭わされます。

そんなこんなを、これから書いていきたいと思います。
題して、「すっとこ還暦旅行!」

乞うご期待!


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NHK文化センター青山教室