岐阜県は飛騨古川に講演に行ってきました。
古川は、17年前に放送された連続テレビ小説「さくら」の主な舞台になった町です。

朝ドラ「さくら」の内容を簡単に説明すると、主人公のさくらはハワイの日系4世で、英語教師として日本にやってきます。
日本の人間関係に異を唱えたり、英語教育のやり方に疑問をぶつけたりしながらも、徐々に、日本の美しさや、あいまいな関係の中にある日本らしい「和」を学んでいくという話でもあります。
そのさくらが暮らしたのが、代々古川の町で和ろうそくを作る家という設定です。
このお店は実在し、三嶋屋さんといいます。

ドラマのヒロインは高野志穂さん、相手役が小澤征悦さん。
この2人のやりとりが面白いと、あちこちで話題にしていただけました。

この古川、城下町で、白壁が続く町並みや、瀬戸川の美しさなどなど、見所はたくさんあるのですが、同時に、なんだかとても不思議な町なのです。
情緒があるという一言では語り尽くせない町で、町全体になんとも言えない独特の空気が流れており、日本のどの町とも似ていないのです。
歩いているだけで、体の力が抜けていくような、穏やかな気持ちになるとでも言うか、私は訪れた途端にこの町の魅力に惹きつけられました。

映画「きみの名は。」の舞台にもなった町という方が皆様おわかりかもしれませんね。

この古川で、3月から8月まで「さくら展」が開かれることになり、それに合わせてというか、私、このたび、飛騨市の観光大使に委嘱していただいた、まあ、つまり、任命していただいたのです。

嬉しい!です。
今後は飛騨市のために働くぞ、という気構えでおります、私、はい。

飛騨市は、岐阜県北部の市で、北側は富山県と隣接しています。
まだまだ勉強不足でどこがどうとも言えない私、これから学んでいきたいと思います。

仕事としては、とりあえずは、「さくら」のDVD化を実現することでしょうか?
総集編はあるのですが……。

「さくら」は朝ドラ「史上初」が重なったドラマでもありました。
初の海外ロケからスタートし、ヒロインも初の外国人(日系人)。
初のハイビジョン放送でもありました。
ならばと、私は、これまた初の、朝ドラ史上最短のドラマを書きました。

桜が咲く4月にスタートし、もう一度桜が咲くまでの一年間のドラマにしたのです。
それは無理だ、女性の一代記でないともたない、と言われ反対もされたのですが、じっくりと人間関係を描きたいという思いをプロデューサーが理解してくださり、実現しました。
そうなのです。
1年だけの話ということは、人物を相当に魅力ある人たちにしなければもちません。
そこには力を入れたし、自信もあるんですよね……。いや、ほんと。

毎日、ドラマを書きながら、その日の放送に関するメルマガも書き続けました。
もう、ファンの集いのような場になり、幸せな思いもしました。

視聴率はというと、ドラマのスタートが外国(ハワイ)ということで、ワーストの視聴率を叩きだしましたが(わはは)、その後は本当に愛していただけ、平均視聴率は、13年後の「あさが来た」まで破られず(平成以降)、瞬間視聴率はいまだトップが破られていません(同じく平成以降)
なぜDVDにしていただけないのでしょうねえ……。
謎です。

講演の当日の夜、飛騨市長と「さくら」に関係する方々でのお食事に招いていただいたのですが、その席で、私、本当に感動しました。
由緒ある旅館の一室に、明かりは、和ろうそくのみ。
そこで、飛騨の祝い唄「若松様」と「ぜんぜのこ」を皆さんが披露してくださり、それから、食事が始まるのです。

この風習は、知ってはいたし、唄も聴いてはいたのですが、あれから17年が経ち、この歳で聴くとまた深みを感じてありがたさもひとしおです。

「ぜんぜのこ」の唄の意味は、飛騨に来たら、「お金(ぜんぜのこ)にも食べるもの(まんまのこ)にも困らせないよ」
だからおいで! ということなのだそうです。
感動した私は、「もう、飛騨で暮らしちゃう?」と自分に問うてしまいました。
単純すぎるやろ!

皆さん、ぜひ、飛騨市へお越しくださいませ!
と、気づけば、このブログが、観光大使としての初仕事となりました。
ありがたや!

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講演中
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古川の町並み

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三嶋ろうそく店

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NHK文化センター青山教室