本日、作家の柚月裕子さんのトークショーに出かけ、初めてご本人とお目にかかりました。
そのそも、私は彼女の小説の大ファンで、ほぼすべての作品を読んでいます。

「孤狼の血」「盤上の向日葵」などの名作で知られる彼女、検事や刑事、ヤクザや将棋の世界など、実に男臭い世界を描く方ですが、ご本人は、実に楚々とした美人です。

お話は作家としての心構え、創作の秘密など、それはもう柚月ファンにはたまらない内容でしたが、私は同時に、同じくものを作る人間として、失礼ながら、とても通じるものを感じました。

彼女は常に、「読者」を意識しての作品創りをしていらして、その覚悟は並々ならぬものがあると感じました。
それは、私も同じで、自分がなにを書きたいかはもちろんあるものの、でも、それと同じくらい、視聴者の方への思いが強い人間だと思います。
つまり、読んでくださる方、観てくださる方あっての作品作りをするという点で、とても一致するものを感じました。

他にも、自分自身の思いを掘ることでしか作家としての目は育たない、とか、書くことは苦しい、しかし、作家をやめようと思ったことはないというお話にも大きくうなずき、また、たとえば、広島という舞台を描く時に、最も広島らしい言葉を聞きたいと願って、球場に出かけていき、カープが負けている時に広島県人が発する罵声などを聞いて方言を学んだなど、出るわ出るわ、面白くも深い話に、納得の連続でした。

そして、とにかく、実に細やかな気配りの方であることにも驚きました。
人気作家という方には多く出会っていますが、あそこまで謙虚な言動をなさる方は非常に珍しく、本当に感心しました。

普段は陰の存在とも言える編集担当の方たちをも紹介し、発言を求めるなど、並の作家ではできないことだと感じました。

とにかく、私は非常に充実した時間を過ごし、また、好きな作家のお話を直に聞けるという体験ができ、ごきげんなのです。

最後に、映画にもなっている柚月さんの作品ですが、今後も映像化されることがあったら、是非ともその脚色をさせていただきたいと、初めて作家の方にラブコールをしました。
実現したら……嬉しすぎる!

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NHK文化センター青山教室