いやあ、興奮しましたね、男子フィギュアスケート。
ショートとフリー。食い入るように見ました。

羽生結弦選手と宇野昌磨選手、1位・2位、素晴らしい!
日本から行っていた方たちは、まさによい試合をご覧になりましたよね。

実は、私が個人的に好きな選手は、カナダのパトリック・チャンと、アメリカのジェイソン・ブラウンです。

チャンはなぜでしょう、昔から妙に惹かれるのですね。
それはなんと19歳の娘も同じで、娘いわく、「納豆食べて新聞読んで、そのままリンクにやってきたような軽やかさ」とか、「スケートしているより、実業家みたいで、そのギャップいい」そうです。

去年、書家の紫舟さんが連れて行ってくれたアイスショーでの、チャンの滑りには感動しました。王者の風格があるんですよね。
そして、滑りにも人間性というか、人柄が出ますよね。

一方、ブラウンは、この四回転時代において、三回転で勝負してくるその潔さ。それでも高得点を上げる、その滑りはゴージャスで美しい。息を飲みます。
しかし、そのブラウンも、やはり四回転は無視できないのでしょうね、フリーでは挑戦していました。失敗しましたが……。
回転ではなく、その表現力で勝負できる選手の存在は大きいと思うのですが……。
ブラウンは、その人柄でも私たちを魅了します。どこまでも明るくおちゃめ。そのギャップがいいのです。

私自身、ドラマの構成をするせいか、滑りの構成にも興味があります。
「見せ方」ひとつでもっと観客を沸かせられるのに、そう来たか……、とがっかりしたりもするし、今回の羽生選手がショートで選んだ曲、プリンスは、もちろんいいのですが、お客さんはどこかで置いて行かれるような感じがするのではないかな……、なんて余計なことも考えます。結果は5位。うーむ。

そういう意味では、ショートで1位を取っていた、スペインのフェルナンデス選手。もう本当に素晴らい滑りで観客を魅了したのですが、フリーがいかん。「その曲では、お客さんは喜ばんぞ!」「その格好は一昔前のボーリングする時の格好ではないか!」とテレビに向かって叫ぶ。
そして、結果は4位に。

人様にお見せするものって、どんなものでも、「自分が好きだから」とか、「自分さえよければ」が通用しないようなところがありますよね。

私たちの世界では、「視聴者の皆様が喜んでくださるものを作る」という姿勢を忘れた途端におかしなことになってしまいます。
脚本家も監督も俳優も。
難しいものです……。