たくさんのフォロー、またご意見をいただき、もう嬉しくて、ありがたくて、泣けてきました。ほんとに。
脚本を書くというのは、物語をゼロから生むものであり、孤独な作業でもあります。そんな中、こんな形で皆さんとつながることができ、感動しています。

「美女と男子」は、オリジナル作品です。原作物が幅をきかせている昨今、好きな物が作れることはとてもありがたいことでした。しかも全20回という長丁場で、じっくりと描くことができました。

まったく気持ちの通じない男女が、それでも同じ目標のために力を合わせていかなければならない皮肉な状況を描きたいというところからドラマを発想しました。
そして、いつしか、その二人に愛情が芽生えていく、そんな話を作りたかったのです。そして、その二人を見守る仲間たちも重要な役どころとして配しました。
成長がわかりやすいことから、芸能界を舞台にしてみたことも、関心を持っていただけた一因かとも思います。

いやーな女に仲間由紀恵さん、見事にはまっていましたね。ご本人は、とても穏やかな優しい方で、正直、ここまでいやな女を好演してくださるとは……。感動しました。

相手役の町田啓太さんも、ご本人は、これほど感じのいい、気持ちのいい男性はいないと思うほどの好男子で、あんなに暗くていやな男を演じられるのかと少々心配していましたが、見事に演じ切ってくださいました。
最初お目にかかったときに、とにかく仲間さんを上から見下ろし、彼女をばかにし、鼻で笑うような態度で臨んでねとお願いしたのです。

今回は、演者の高橋ジョージさんが、まさにドラマのたどころ晋也役とぴったり重なる状況があったり、遼の父親役を演じた草刈正雄さんが息子さんを亡くされたなかでの出演だったりと、いろいろなことをはらんでのスタートでしたが、たくさんの方に愛していただけるドラマとなり、作り手としては、ほっと胸をなで下ろしています。

浜崎あゆみさんの主題歌を仲間さんの口パクで見せ、バックバンドをひのでプロの面々がエアーでつとめるという演出も最高でしたね。監督の腕が冴えています。

なにかご質問等ありましたら、差し支えない範囲でお答えします。またご意見等くださいませ。


そして、今日は、感謝を込めて、第三回の脚本、大公開!
遼が、『美しき殺意』というドラマに抜擢されて、その台詞の練習をする、というシーンです。


○ひのでプロモーション・室内

     応接セットが一隅に寄せられ、臨時の稽古場に。そこに遼と、葉子役のもなみ。他の一同が見ている。
一子「……はいっ」
もなみ「『今日もね、これ一人で全部食べるの』」
遼「『あんた、おかしいよ』」
一子「駄目。ぜんぜん愛がない」
遼「(ムッとなり)あんたに愛がわかんのかよ」
たどころ「そらもっともな意見やな」
一子「(無視し、遼に)いい? このひと言がヒロインの気持ちを変えるの。自分を心配してくれる出前持ちの言葉に、愛を感じたからよ、愛を」
並木「へーえ、台本、読み込んでるねぇ」
遼「(ブチブチと)受け売りじゃねーか」
たどころ「しかし過食の大学教授が殺人犯て、ムチャクチャやなァ」
一子「(無視し、遼に)あなたはね、日頃から人と接してないからそういうことになるの。『愛』がわかんないのよ」
遼「(せせら笑い)」
たどころ「彼女、いいへんのか?」
      緊張する女子連。
遼「別に」
      女子連、ホッと安堵する。
一子「友達は?……いそうにないわね」
並木「家族は?」
遼「……」
樫村「お母さんとか?」
遼「子供の頃、別れたんで」
一同「(黙り込む)……」
並木「愛のある家庭を見せるしかないのかもしれないな」
一子「そう、ですねぇ……」
      じーっと一子を見ている一同。
一子「……え? 私?」


いかがでしたか?

では、また!