『そろそろ帰りましょうか、家まで送ります』「はい、お願いします」
スチ子さんも漠さんも早寝早起きの生活なので時間の感覚も似ています、ここも楽な所です。
スチ子さんの家は木造で築50年位の古い建物、リノベーションをして内装は全て自然素材の物を使いました。
「良かったら、お茶でもどうぞ」
玄関を開けると木の香りがします、床は全て無垢材です。
『木の香りがしますね、良い匂いだ』
スチ子さんは自然が好きでログハウスに住みたいと思った事もあります、少しづつ自分の身の回りを気分の良くなる物で満たしてやっとここまで来たのです。リノベーションの際に気分の合わない物は全て断捨離をして最小限の物しか残していませんでした、生活してみて気付いたのですがこの何もない状態が実に心地良いのです、床の無垢材の年輪の美しさが壁材のモイス の白とバランス良くて落ち着くのかもしれません。
「何もないでしょ、掃除が楽で良いですよ」
『必要ない物がないだけで自然がたくさんある僕はこの感じ好きですよ』
「そう言って頂けて嬉しいです」
コーヒーは漠さんが専門なので一保堂のほうじ茶で香りを楽しみながら一時を過ごしました。
「今日はどうもありがとうございました」
『こちらこそ、美味しいお茶をありがとう』
また明日、と言い手を降って見送りました。
2024 4/13