骨盤内リンパ節転移の近くに出来た腫瘍も治療する為、陽子線は範囲を広げて照射していました。


8月はお盆の帰省ラッシュがある為に、高速での移動は無理と言う事で、8月10日に大学病院から福島の病院に転院しました。


8月初旬に福島の病院で撮ったMRIに、肝臓への転移が認められました。


私は藁をも掴む思いで、大学病院の主治医が用意して下さった資料を持って、東京のがんセンターにセカンドオピニオンに行きました。

がんセンターの先生にお会いして、何か使える抗がん剤が無いか伺うつもりでした。


でも…診察室に入った私にMRIを見ていらした先生から、「肝臓で良かったですね。肺だと苦しいから。もって年内ですね。」との言葉が…。


1人で聞くには、耐えられない程の衝撃の大きさでした。

肝臓多発転移…。

「こちらのがんセンターでも、3年に1人いるかいないかの悪性の腫瘍ですね。」と、先生が仰いました。

「抗がん剤を受けるよりも、本人がしたい事、望む事を沢山してあげて下さい。」それがセカンドオピニオンで出た答えでした。


帰りの電車の中で沙也加と同じ年頃の子を見て、どうして沙也加は病院のベッドで寝ているんだろう?どうして沙也加だけが苦しんでいるのだろう…と、ただただ思っていました。


時間が無い…沙也加のやりたい事…そうだ!ハワイに行きたいって言ってた。


連れて行かなくちゃ…何としてでも連れて行きたい。