■活性化自己リンパ球療法とは
がんの治療法の一つで、患者の血液(約30ml)から
免疫細胞「リンパ球」を取り出し、活性化させながら
約1000倍に培養増殖させ、そのリンパ球を患者の
体内に戻すことで、免疫力を大きく上げて、がんや
ウイルスと戦う力を高める免疫細胞療法です。
ご自身の血液を使用するので副作用が無く、必要な
リンパ球のみ培養増殖して活用するので、シンプル
かつ効果的な治療法だと言われています。
がん予防、がんの進行抑制、がんの再発予防に
効果が期待できます。
また、活性化自己リンパ球療法は、免疫力を高める
治療のため、がん治療だけではなく、ウイルス
感染症治療、アンチエイジングといった分野への
治療にも行われてます。
■リンパ球とは
免疫細胞のなかの白血球の一種。
リンパ球の中にも種類があり、その中には
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)、T細胞、B細胞が
あります。
T細胞とB細胞はそれぞれTリンパ球・Bリンパ球とも
呼ばれます。
またリンパ球は大きさで分けることもでき、
6~9μmのものは小リンパ球、
9~15μmのものは大リンパ球に分類されます。
■B細胞(Bリンパ球)とは
B細胞は自身で抗体を作り出し、その抗体を体液中に
流れている病原体や毒素と結びつけることによって、
それらを無力化します。
■T細胞(Tリンパ球)とは
T細胞は二つにわけられ、
「ヘルパーT細胞」と「キラーT細胞」が存在します。
ヘルパーT細胞はB細胞が抗体をつくるのを助けたり、
マクロファージ(食細胞)が病原体を退治する力を
強化します。
キラーT細胞はウイルスに感染したり、がん等の
異常をきたした細胞だけを選別して殺します。
キラーT細胞は異常をきたした細胞を殺すことから
細胞傷害性T細胞ともよばれます。
この英語 Cytotoxic T Lymphocyte から
CTLと表記されることもあります。
このキラーT細胞はT細胞レセプターと呼ばれる
抗原レセプターを表面に出し、このレセプターを
使って病原体に感染したり、がん化した細胞を
見つけ出して殺します。
B細胞の「B」は、それが作られる
骨髄(Bone marrow)の頭文字、
T細胞の「T」はそれが作られる
胸腺(Thymus)の頭文字から採られています。
■NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とは
自然免疫系に属する細胞で、血中に浮遊する、
病原体に感染した細胞やがん細胞などと戦う
役目をしています。
NK細胞は他の細胞に比べて大きく、細胞内に
顆粒を有していることから、大型顆粒リンパ球
とも言われます。
この顆粒は細胞を傷害するための物質を
含んでおり、これを利用してウイルスに
感染した細胞を排除します。
NK細胞は血管内を浮遊しており、特に
何もしない状態でも、自己と非自己を見分け、
血中に存在する異常をきたした細胞を攻撃します。
しかし、NK細胞はT細胞に比べると、
がん細胞に対する殺傷能力が1/3程度と低く、
また血管壁を透過してがんの病巣まで到達する
ことが困難であるといわれています。