そういうわけで、引き続き『失踪日記2 アル中病棟』を読んでみました。

 

 


『失踪日記2 アル中病棟』
□イントロダクション
□アル棟1~27
■巻末対談 吾妻ひでお×とり・みき
 


巻末対談 吾妻ひでお × とり・みき

(つづきです)


笑いを強制しない笑いが好き

__ やっぱり早く退院したいと思われてましたか。

「最初の1ヵ月くらいはそうだったんだけど、あとはもう『このままでもいいかな』って。だんだん楽しくなってきて(笑)。お酒も呑まないように見張ってくれてるから。退院後のほうが自由なんだけど、逆にそれが怖かったね」

__ 呑まない秘訣ってなんなんでしょう。

「皆言ってることだけど、あんまり先のことを考えないで、展望を持たないってことかな。今日一日が楽しければいい。酒呑まないと朝の目覚めもいいですからね。メシもうまいし」

__ 終盤の「体験発表」で、いちいちギャグを考えてるのが面白くって。考えなくていいのに。



「だって人数がいるなら、笑わせないと(笑)。今もトークショーなんかだと、ネタをすごい作っていくんだけど……こないだ書店でやった時は、司会者が進行通りやってくれなくって、おれのネタが全然炸裂しなかった」

__ 用意してたんですね。

「こっちはすっごい段取りしてた(笑)」

__ でもあのあと、お嬢さん(長女)は「今日は良かった」ってOK出してたじゃないですか。

「笑いにうるさいからね。毎日のようにお笑いのライブに行ってるから」

__ 吾妻さんご自身も作中で「芸人志望だった」って言われてますね。

「中学校の頃に、落語家になりたくて。ずっとラジオで落語を聴いてた。(三遊亭)金馬さんの時代で。漫才師にもなりたかったし。『シャボン玉ホリデー』とか、あと『ルーシー・ショー』みたいなアメリカのコメディも好きだった」

__ それはマンガを描く前から。

「そういう、笑いを強制しない笑いにすごい影響を受けて。SFもそうなんですけどね。SFのギャグっていうのも、フレドリック・ブラウンなんかボケるだけボケてつっこまないでしょう」

__ つっこむのは読者にゆだねて。そうすると「どこが面白いのかわからない」って言われるんですよ。

「そうそう(笑)。とりくんは落語研究会だったでしょ?」

__ そうです。上京して、人間が変えられると思って……変えられるわけがない(笑)。テクニックとして、演技で社交的に振る舞えるようにはなりましたけどね。

「それまでは非社交的だったの」

__ 全然人見知りですよ。今でもお芝居とか見に行っても、楽屋にあいさつに行けなかったり。知り合いなのに。




(つづく)




参考:吾妻ひでお×とり・みき 『失踪日記2 アル中病棟』を語る


__とり・みき
「」吾妻ひでお

適宜、見出しをつけています。

 


解説

いろいろ興味深いエピソードが描かれています。

興味のある方は、ぜひ実物をお読みください。



獅子風蓮