熊取町介護者(家族)の会ですおねがい


前回より続きです

相手に動いてもらう介助

「福辺流」力と意欲を引き出す介助術より福辺節子先生の言葉を抜粋します

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相手に動いてもらうと聞いたときに

「私がケアしている片マヒや認知症のお年寄りには使えない」と思われた介助者もおられるでしょう。「マヒがあるから動けない」「まったく力が入らない」「言ってることが伝わらない」「拒否される」そんな対象者にどうやって動いてもらえるの?セミナーで多くの参加者がもつ疑問です。

       (中略)          

対象者が生きていて、その人にできることがある限り、その人の持っている感覚にはたらきかけて、その人の持っている能力を使ってもらうという当たり前のことをするのが、この介助です。

感覚をいかに入力するかによって介助された人の反応は変わります。適切な介助がなされたときには、介助される人からの正当な反応が返ってきます。たとえ寝たきりや認知症の人であってもよりよく変化してもらうことは可能です。


運動とは目に見える筋骨格運動だけを指すのではありません。四肢や体幹の運動は認められなくても脳、内蔵、血管、消化、循環、呼吸、排泄、思考、感情、認知、記憶、知覚などを司る細胞や神経は私たちが生きている限り働き続けています。

(中略)

対象者の能力に気づき、最大限にその能力を使ってもらえるようにするのが、介護、医療であり、介助です。


 『福辺流 力と意欲を引き出す介助術』

                 著者  福辺節子 中央法規出版より抜粋


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このことをしっかりと心にとめて

もう一度自分の介助に向き合ったとき

声のかけ方、触れ方、

目の前のその人に対する思いや感情

その人の動きを感じようとすること

自分の感覚を研ぎ澄まさないと見逃してしまうようなほんの小さなでも確かな

「その人の力」

その人が動こうとしてくれる瞬間を逃さないようにしっかり待てるようになったり

介助する、されるひとの片方の力だけが大きいという行為、動きではなく

いつも同じ力で釣り合っているという感覚

ぐいっと力任せにしていた介助では絶対に気づかなかった感覚です。

それに気づいて、実感した全国の仲間と

今なんとかこの介助がスタンダードにならないかと考えています


丁寧な介助は時間がかかると思われがちです

でも息の合わない介助で引いたり押したり

けっきょく

心も体も動いてもらえない人を動かす介助で

力を使ってお互いがストレスを感じて

疲れ果てることは決して効率のよい介助でも

心地の良い介助ではないはずだと思いました


私もまだまだ勉強中ですがあせる

その中でも何度も感動と出会っています

深い認知症を抱えたお年寄りが

自分で動けたという感覚を持ってベッドに座ってくださったその時のパーッとしたあの表情

多くの人に出会っていただきたい

感じていただきたいなぁと思う瞬間ですおねがい