三島由紀夫「鹿鳴館」
「鹿鳴館」「只ほど高いものはない」「夜の向日葵」「朝の躑躅」という4つの戯曲がおさめられてます。
「鹿鳴館」は明治時代の条約改正を目指して作られた鹿鳴館を舞台にしたものです。どれも男女の悲劇を扱った話です。
それにしても、なかなか良い台詞がちりばめられています。

政治とは他人の憎悪を理解する能力なんだよ

この世には人間の信頼にまさる化物はないのだ

いいかね。政治には真理というものはない。真理のないということを政治は知っている。だから政治は模造品を作らねばならんのだ

鹿鳴館。こういう欺瞞が日本人を賢くして行くんだからな

色恋は負ける楽しみでございますよ

あなたはお月様を見てもあの裏側のことを考えないではいられない人なのね

若いということも僕の病気の一種ですよ

君子 ラテンっていう国、どこにあるの?
園井 大学の中にあるんですよ
君子 まあ、面白い。ずいぶん小さな国なのね

永い時間は人を裏切らせるばかりか、自分自身を裏切らせるのね

大丈夫よ、自分を本当の真珠だと信じていれば、硝子もいつかは真珠になるのよ