仲正昌樹「教養としてのゲーテ入門」
歴史で大文豪として登場するゲーテさん。読んだ本は「若きウェルテルの悩み」と「ファウスト」と「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」。ウェルテルは若い時に読んだのであまり覚えはないですが、ファウストとマイスターは結構読みやすくて、ハードな感じはあまりしませんでした。
ゲーテについて、著者の仲正さんはこう書いています
「ゲーテは、ヨーロッパの世界観・価値観の大変動の中で、それまで人びとの無意識に潜んでいた欲望がパンドラの箱から解き放たれ、様々なタイプの人間、人間関係が入れ代わり立ち代わり現われてくる過程を、出来合いの物の見方に固執することなく、自らの眼に映るままに素朴に描き続けた作家であると言える」
近代化に向かうヨーロッパが価値観を変える中で、どう生きていくか悩める登場人物を描くことで、その行く末を暗示したと言えるのでしょうか