ジョルジュ・サンド「愛の妖精(プチット・ファデット)」
ジョルジュ・サンドというと平野啓一郎さんの「葬送」でショパンの愛人としての印象が強いです。彼女の作品を読むのはこの本が初めてです。
双子の兄弟が誕生するところから物語は始まります。兄の名はシルヴィネ、弟の名はランドリー。この二人は少年の歳になるまでは離れることができないほど仲が良かったのです。それが弟のランドリーが働きに出され少しずつ自立していくと、家に残された兄のシルヴィネは寂しさと嫉妬を起こし、二人を少しずつ引き離していきます。そんな時に現れたのが嫌われ者のファディットでした。ランドリーは兄の行方不明事件で彼女の助けを得てから、彼女の本当の姿を理解していきます。
この物語はジョルジュの田園小説の中で秀作とされています。読んでいても、とてもやさしい気持ちにさせてくれます

