ロバート・A・ハインライン「月は無慈悲な夜の女王」
鈍器本の分厚さ。内容も歯ごたえががあり読み応えがありました。さすがヒューゴー賞受賞作品。
ハインラインは日本では「夏の扉」で有名ですが、解説によると海外ではこの「月は無慈悲な夜の女王」の方が人気があるそうです。
物語は月の全てのことを管理するコンピューターを技師のマヌエルが修理することに始まります。このコンピューターは今で言う生成AI。マヌエルとの接触を通して人格を形成していきます。この時の月世界は犯罪者の島流しのような場所で地球政府の支配下に置かれていたのです。この月が地球に対して独立を宣言するのです。
このあたりの流れは、緻密な計画というより、地球政府の支配の下で抑圧された人々が抵抗していくのですが、すごく状況に適した戦い方というものに感心させられました。