サド「ジュスチーヌまたは美徳の不幸」
ジュリエットとジュスチーヌの姉妹の物語は悪徳に生きた姉のジュリエットと美徳に生きた妹のジュスチーヌの物語に分かれてます。姉のジュリエットの話が「悪徳の栄え」で澁澤龍彦さんが訳されて裁判にもなったものです。妹のジュスチーヌの話は、3回くらい書かれたそうです。最初に書かれたものはフランス革命勃発の時、バスティーユ牢獄にいたサドは紛失してしまったそうです。この本はその後書かれた2回目のもの。澁澤さんのものは抄訳だったので、岩波で読んでみました。サド自身がこういう書き方をしたのか分かりませんが、「悪徳の栄え」のどぎつい訳とは違います。裁判になるだけのことはあります。
さて、この本では、妹のジュスチーヌが自分に起こったことを姉のジュリエットに語るという形式です。美徳に生きた故にジュスチーヌには不幸な出来事しかおきません。そして、彼女の最後も。。。