内田洋子「十二章のイタリア」
大学でイタリア語を学んだ内田洋子さん。日本を飛び出してイタリアに行ってしまいました。そこで始めたのは、イタリアで起こったことを日本の報道機関に送る仕事でした。そんな内田さんのイタリアでの様子を綴ったエッセイ集です。内田さんを通してイタリアのことを知ることができます。
「薔薇の名前」の著者のウンベルト・エーコさんとも知り合ったようで、エーコの言葉も紹介されてました。
「本棚は、読み終えた本の保管場所ではありません。仕事のための道具を揃えておくところです」
大学教授だったウンベルトは学生にこう語ったようです。
「本を読まない人は、七十歳になればひとつの人生だけを生きたことになる。その人の人生だ。しかし本を読む人は、五千年を生きる。本を読むということは、不滅の過去と出会うことだからだ」
ここでウンベルトが好きだったボルヘスの言葉も紹介してありました。
「作家は死ぬと、その人が書いた本になる」