「大江健三郎 江藤淳 全対話」
僕は大江健三郎さんの作品はよく読みました。そんな中で、大江さんと江藤さんは思想的にも真逆で仲が悪いという認識でした。この本の解説者の方もそう書かれてます。ある意味、この二人は何回も対談してたのですね。最初は雑誌の「明星」。若者に政治的関心を持ってほしいという意図での企画だったようです。このあたりは普通の対談でしたが、次第に江藤の大江の作品に対する批判が強く、とうとう「万延元年のフットボール」を巡って、登場人物の命名のことなど激論になっていきます。その後の江藤の漱石に関する書籍での対談は、対立こそあれ、そんなに過激ではなかった感じです。これ以降、二人だけの対談はなかったようです。
読んでいて、大江と江藤ということもあり、僕のレベルではついていけないような内容でした