井伏鱒二「山椒魚・遙拝隊長 他七篇」
「山椒魚は悲しんだ」で始まる高校の現国の教科書に載ってました。井伏鱒二は人間の悲哀を山椒魚の中に見たのでしょうか。もう一つの表題になっている「遙拝隊長」は、戦争で隊員に日本に向かって遙拝を求める隊長。彼は部下を叱っている時にトラックから落ち、頭に大けがをしておかしくなってしまいます。この隊長にとっては悲劇なのでしょうが、そういったものの中に戦争の理不尽さを描いているのでしょうか。