サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」
帯にはこうあります
「不条理演劇」の代名詞にして最高傑作
登場人物は、エストラゴン、ヴィラジーミル、ラッキー、ポッツォ、男の子 の5人だけです。
エストラゴンとヴィラジーミルがゴドーという人物を待っていると、ラッキー、ポッツォが現れます。主にこの4人で劇が進んでいきます。
読んでいて、そのドタバタさや、意味不明の設定など、どちらかというとコントのように思えてきました。
コントいうものは、ある意味、人間の不条理さを強調しているわけで、この「ゴドーを待ちながら」はひょっとかすると、コントの原点なのかもしれないかなと思いました。また、コントと芸術は紙一重の違いなのかなとも思いました。
そして、この劇にはゴドーの使いという男の子は登場するのですが、ゴドーという人物は登場しません。解説には、ゴドーはゴッド(神)のもじりと解して、神の死のあとの時代に神もどきを待ち続ける現代人、とありました。