G・ガルシア=マルケス「出会いはいつも八月」
マルケスの「百年の孤独」が文庫本化してよく読まれているようです。この本の訳者解説のところで、ラテンアメリカにおいて「百年の孤独」が高校の必読書となるなど神格化される一方で、以後の世代から目の敵にされた面もあったと書かれています。それはラテンアメリカの作家が「魔術的リアリズム」を踏襲することが期待され思ったことが書けなくなったことがあるそうです。また、「孤独」という単語が仕えなくなったり「百」と入力すると予測変換で「百年」とか「百年の孤独」と出てくるので、「百」とすら書きたくなくなったそうです。
さて、この作品はマルケスの晩年に書かれたもので、認知症の前になんとか書き上げたが、本人は発刊には積極的はなく、今頃になって発刊されたものだそうです。訳者の方も後半は今ひとつのようなことを書いておられましたが、僕は結構楽しんで読みました。
物語は、母の命日の8月に遺言通りの島に作られた墓にグラジオラスの花を持ってまいる一人の主婦の話です。ある年に行きずりの男と一夜を過ごしてしまいます。そして、それ以後、このことが毎年のこととなってしまうのです。その結末は。。。。
彼女がその島に向かう時に読む本が「ドラキュラ」「トリフォドの日」「火星年代記」とか僕にとっても馴染みの本だったのが嬉しかったです。デフォーのペストの本は読んでなかったので、今度読もうかなと思ってます