コーマック・マッカーシー「
」
僕は観てませんが映画にもなってヒットしたらしい。
ヴェトナム戦争の帰還兵モスはベトナム国境付近で麻薬密売組織の殺戮現場に遭遇し大金を盗み出す。そのままだったら誰がやったか分からなかったかもしれないが、現場に戻ったことから、殺し屋のシガーに狙われることになる。そして、この事件を追うのが保安官ベル。この3者にメキシコの組織も絡んできて、殺戮が開始される。この設定だけなら訳者が最後に書いているようにノワール小説と言える。
だけど、コーマック・マッカーシーはアメリカ純文学の巨匠ときているので、その終わり方は、文学的になっていく。そもそも題名の「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」とはどういう意味だろう。保安官ベルが定年間際の老人とも言えるが。。。アメリカの良き時代に過ごした人々にとって、今のアメリカは住みにくいということなのだろうか