ミシェル・ウエルベック「滅ぼす 上」
2027年フランス大統領選が舞台です。大統領候補の一人と言われていた経済・財務大臣ブリュノの断頭動画がネットに流れた。しかし、それは本物と区別がつかないほど巧妙に作られたもの。そして、テロは現実に船を沈めたり工場を爆破したりし始めたのです。
主人公のポールはブリュノに仕える人物。彼の父親はフランスの情報機関に勤めていたが退職後に脳梗塞になってしまいます。ウエルベックの作風の特徴としては、政治を背景に一般人物を描いていくのです。今回は何やら主人公のポールが得たいのしれないものに巻き込まれていく予感がします。トム・クランシーほどではないですが、どうなるか下巻が楽しみです