森博嗣「ダウン・ツ・ヘヴン」
スカイ・クロラ・シリーズの3冊目。
読んでいて空中戦など空の飛行機の操縦の描写はどこまでも本当のものに思えてきます。その操縦が真実なのか脚色なのかは飛行機なんか操縦したことのない僕には分かりません。ただ、読んでいて片岡義男さんのオートバイの運転描写と共通したものを感じます。どこまでも機械的でありながら自然に溶け込んでいます。森博嗣さんの憧れの表現なのでしょうか。

そもそも、人間って、空から墜ちてきたものかもしれない。
それが生まれるということ。
墜ちるのが恐いのは、もう生まれたくないって、思うから?
それじゃあ、死んだら、上がっていく?
どこへ?

検査のときに、いつも途中で、もう見えませんって言うことにしているからだ。能力をすべて人に教えるなんて、そんなぎりぎりのことはしたくない。それを学んだのも学校だった。・・・周囲の連中には、わざと手抜きをして、無能な自分を見せることにしていた。そうでなければ、いざというときに困るだろう。違うか?

話したいことなんて、いつも、どんな場合だって、ない。話したくないことが多すぎて、その下に埋まっているだろう。


今回はテーチャとの空中戦。クサナギも少しずつ大人になっていくのだろう。。。

子供はみんな、空を飛ぶ夢を見るのだ。
飛べるようになるまで、
あるいは、飛べないと諦めるまで。