片岡義男「彼のオートバイ、彼女の島2」
片岡さんは「彼のオートバイ、彼女の島」という物語を書かれていて、それは映画にもなってます。しかし、片岡さんは「自分が書いた小説をその想像上の映画の原作にしてみたらどんなだろうかと、ひとつのアイディアを僕は得た。そのアイディアを実行してみた結果が、ここにある。」と思い立ち、書かれた小説がこの本です。「2」とありますが「彼のオートバイ、彼女の島」とは登場人物も全く違っていて勿論ストーリーも違います。
この本の書き方は独特で、脚本のト書きのようなものも同一の文章に入ってきます。例えば「彼女の髪が、その風にあおられる。このとき、彼女は、髪をかきあげるしぐさなど、絶対におこなってはいけない」と、してはいけない動作を書かれています。他にも何か所かしてはいけないことがでてきます。映像にこだわる片岡さん故に、そういうシーンがたまらなく嫌なのでしょうね。面白い文章でした。