ミシェル・ウエルベック「素粒子」
異父兄弟のプリュノとミシェル。ミシェルは女性の愛を求めるのですが、その容姿によって女性から全く見向きもされない青春時代を送る。弟のミシェルは幼馴染から言い寄られるが、愛が何なのかも分からず、彼女の愛に答えることができず別々の人生を送るのす。この兄弟は、中年の年齢を超えたところで、女性と共に過ごし人生が満足いく方向に向かったと思われたのですが、二人とも女性を亡くしてしまうのです。
このミシェルはノーベル賞クラスの分子生物学者で、細胞がコピーによって増えることが生物として完璧になる理論を発見するのです。そこには愛など必要ないのです。これは本の中でも触れられていますがハクスリーの「すばらしき新世界」の人類が子孫を残す方法と同じものなのです。